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次回「よもやま話の会」案内


日本科学者会議岡山支部例会
7月例会:健康寿命延伸をめざす中高年者の健康づくり運動
鈴木久雄 氏(岡山大学 全学教育・学生支援機構 教授)
と き : 2019年7月23日(火) 17:30〜18:40
ところ : 岡山大学理学部本館1階 第11講義室

日本人における介護が必要となった原因は多い順に脳血管疾患(脳卒中・心疾患),認知症,高齢による衰弱,骨折・転倒,関節疾患です。これらの予防には運動が一番です。運動は若いうちから始めるとよいのですが,なかなか続かないのが現状です。日本は世界的にみても不活動者の多い国です。厚労省がすすめている健康づくり施策「健康日本21」をもってしても運動する人は増えません。 生涯,介護を受けず,やりたいことができる身体を保持したいと誰もが考えると思います。
本講演では健康づくり運動をすこしだけ紹介し,一人でも多くの方が運動を継続していただきたいと考えています。

教員,学生,市民の皆様の多数のご参加をお待ちしております(参加無料)
連絡先: 岡山大学大学院自然科学研究科  中堀 清
電話:086-251-7859(直通)


日本科学者会議岡山支部例会
6月例会:岡山県における西日本豪雨災害の状況と課題―ダム放流問題などを中心に―
磯部 作 氏 (放送大学客員教授)
と き: 2019 年 6月 18日(火) 17:30〜18:40
ところ: 岡山大学理学部1号館2階 23講義室
 昨年7月の西日本豪雨では,岡山県全域で災害が発生し,とりわけ倉敷市真備町では甚大な被害が発生した。気象庁が大河川でも決壊する可能性があることを緊急記者会見したにも拘わらず,中国電力の新成羽川ダムなどが,河川法52条に基づく事前放流をしなかったこと,小田川などの堤防に低い箇所があったこと,避難情報が非常に遅れたことなどが原因である。また,低湿地への開発許可なども問題である。近年,地球温暖化が急速に進んでいるだけに,行政などの十分な対策が必要である。


日本科学者会議岡山支部・農学部班合同例会
5月例会:TPP・安倍官邸農政下の農業危機
講演者:宇野忠義氏(弘前大学名誉教授)

日時: 2019 年 5月 21日(火) 17:30〜18:40
場所: 岡山大学理学部1号館2階 23講議室       
要旨:2019年は、TPP11と日欧EPA(経済連携協定)が発効し、輸入農畜産物が激増しました。TPPから離脱したトランプ米大統領との日米FTA(自由貿易協定)交渉が始まり、今夏の農産物貿易交渉の暫定協定が強く懸念されています。これらを推進する安倍政権による官邸主導のトップダウン農政は、日本農業の生産基盤を衰退させ、家族経営の存続を危機におとしめ、食糧自給率は38%という未曾有の危険な状態が継続しています。
 国連総会では、「農民の権利宣言」が昨年末可決され、国連提唱の「家族農業の10年」が今年からスタートしました。農業、食料の未来はどうなるか?

教員、学生、市民の皆様の多数のご参加をお待ちしております(参加無料)。
連絡先:岡山大学大学院自然科学研究科 バイオサイエンス専攻 稲垣 賢二
電話:086-251-8299(直通)


【日本科学者会議岡山支部3月例会 岡山大学理学部職員組合と共催】

3月例会:京大3.8mせいめい望遠鏡 完成 - 岡山の天体観測新時代 -
講演者:戸田博之 氏(京都大学大学院理学研究科附属天文台 岡山天文台 教務補佐員)
日時:2019年3月18日(月)17:30-18:40
場所:岡山大学理学部本館1階第11講義室
要旨:京都大学附属天文台と宇宙物理学教室が浅口市と矢掛町にまたがる竹林寺山系に開発・建設を進めてきた口径3.8mせいめい望遠鏡の完成記念式典が2月20日におこなわれました。せいめい望遠鏡は「分割鏡」・「超高精度研削加工」・「軽量架台」の3つの特徴があり、これら3つの特徴は独自に開発した技術です。せいめい望遠鏡の開発自体も重要な研究テーマでした。これらの新技術とせいめい望遠鏡が挑む観測テーマ、また完成当時東洋一の望遠鏡と言われた国立天文台188cm望遠鏡の今後の運用の解説も合わせて、岡山に訪れた2大望遠鏡による天体観測新時代について紹介します。


よもやま話の会は参加費無料です。
教員、学生、市民の皆様の多数のご参加をお待ちいたしております。



バックナンバー

【日本科学者会議岡山支部2月例会】

2月例会:ドイツにおける「過去の克服」
講演者:香月恵里 氏(岡山商科大学 経営学部 准教授)
日時:2019年2月20日(水)17:30-18:40
場所:岡山大学理学部本館1階第11講義室
要旨:第二次世界大戦中、ナチ・ドイツはゲルマン民族による世界支配を夢見て、他の「劣等民族」を支配下に置くことを企図した。特にユダヤ人に対するホロコーストでは、600万人ともいわれる人々を抹殺した。 戦後、「犯罪者国民」とされたドイツは、国際社会に復帰するため、ナチと決別した新しい国となったことを証明しなくてはならなかった。よって、「過去の克服」は、司法・教育・社会生活において、戦後ドイツの最重要の課題となり、また西ドイツ国家はイスラエルを始めとするかつての被害者に莫大な賠償金を支払った。1970年、ポーランドのワルシャワ・ゲットー英雄記念碑の前で跪いて謝罪するブラント首相の写真は、こうしたドイツの姿勢を象徴するものといえるだろう。戦後処理におけるドイツの方針は、日本と比較して道徳的に優れたものとして引き合いに出されることが多い。 しかし、実際には終戦後の「非ナチ化」は不十分なままに幕引きがされ、西ドイツ政権の中枢にはナチの残党が居座り続けていた。また、ドイツの一般市民が加害者としての自国を意識し始めたのは、アウシュヴィッツ裁判を経た1960年代後半以降のことである。それは、フリッツ・バウアーを代表とする人々の孤独な戦いの成果でもあった。 また、今世紀に入ってからは、戦後補償が一段落したことも影響し、連合国軍による過剰な爆撃の被害者、また、東部から追放された避難民としてのドイツ人という別の側面にも言及することが許される雰囲気が醸成された。現在のドイツは、自国民の被害という別の「過去の克服」にも取りかかっているところである。


【日本科学者会議岡山支部1月例会】

1月例会:第22回総合学術研究集会 参加報告と交流の集い
主な報告者(予定)
   安倍政治の何が問題か(A2分科会)     – 小畑隆資
 国民生活向上のための経済運営(B1分科会)    – 新村 聡
 女性研究者問題を考える(G3分科会)          – 笹倉万里子
 沿岸域を中心とした環境問題と保全・再生(H2分科会) – 磯部 作

日時:2019年1月21日(月)17:00-18:50
場所:岡山大学理学部本館1階第11講義室
要旨:2018年12月7日〜9日に沖縄県琉球大学で「平和で持続可能な社会をー沖縄から考えるー」をメインテーマとして日本科学者会議第22回総合学術研究集会が開催されました。参加した支部会員から分科会での発表や討論内容を紹介頂き,今後の研究や活動の方向性を議論したいと思います。会員,非会員問わず奮ってご参加下さい。


【日本科学者会議岡山支部10月例会】

10月例会:非認知力が子供を伸ばす
講演者:中山芳一氏(岡山大学 学生総合支援センター 准教授)
日時:2018年10月23日(火)17:30-18:40
場所:岡山大学理学部本館1階第11講義室
要旨:IQのようなテストで測定(数値化)できる能力は, 「認知能力」と呼ばれています。一方, 自制心や意欲, コミュニケーション能力などのテストでは測定できない能力は「非認知能力」と呼ばれ, いま先進国を中心に注目が集まっているところです。 もちろん, 日本でも新しい学習指導要領や進学試験などにも影響を与え始めています。なぜ, いま非認知能力がこれほどまでに注目を集めているのか? そもそも非認知能力にはどのような力があるのか? そして、次代を担う子どもたちに非認知能力をどのように獲得・向上させていけばよいのか? これらについて提案し, みなさんと一緒に考えていければと思います。


【日本科学者会議岡山支部9月例会】

9月例会:障害者の立場から「共生社会」を考える
講演者:山口雪子 氏(岡山短期大学幼児教育学科准教授)
日時:2018年9月3日(月)17:30-18:40
場所:岡山大学理学部本館1階第11講義室
要旨:2016年の障害者差別解消法」の施行に伴い, 障害者が高等教育を学ぶ機会や社会参加する道筋が開けつつあります。さらに2020年の東京オリンピック,パラリンピックによって障害の有無にかかわらず全ての人が活躍する「共生社会」が確立していくと期待します。しかし反面さまざまな危惧が頭をよぎります。例えば,日本は障害者にとって安心して暮らせる社会でしょうか?障害があってもできる術をみつけ磨くことで,なんとか社会参加しても,磨いてきた術や積み重ねてきた全てが否定され排除され,現状では具体的な救済方法がないと言われたら,どうしたらいいのでしょうか?全ての人が活躍できる真の「共生社会」とは何か,障害者の立場から考えたいと思います。

【日本科学者会議岡山支部7月例会】

7月例会:インターネットの技術と法制度
講演者:岩田健一 氏(岡山大学非常勤講師,岡山操山高校非常勤講師)
日時:2018年7月30日(月)17:30-18:40
場所:岡山大学理学部23講義室(理学部本館2階)
要旨:コンピュータとネットワークの技術が発展するのに伴い、インターネットの利用者が増大しており、社会に おける重要性も増している。インターネットはコミュニケーションの手段であるから、その上で行われる人の活動 は法的な規制の対象であるが、規制が妥当であるかどうかを判断するには、技術的な理解が欠かせないことが多い。 インターネット技術に対する無理解が生んだ事例として、岡崎図書館事件や児童ポルノのブロッキング問題、漫画 村のブロッキング問題、Coinhive による暗号通貨の「無断」採掘問題などを取りあげ、インターネットの技術と法 制度について考えてみたい。

【日本科学者会議岡山支部6月例会】

6月例会:病気の擬人化と日本中世の信仰 - 『融通念仏縁起絵巻』を中心に -
講演者:德久 誓子氏 岡山大学社会文化科学研究科 准教授
日時:2018年6月19日(火)17:30-18:40
場所:岡山大学文学部会議室(文法経1号館2階)
要旨:人間はさまざまなものを擬人化してきました。動植物だけでなく、生き物ではないものも対象になります。病気もその一つで、様々な地域において絵画や物語に擬人化された病気が登場しています。 日本の場合、「疫神」は鬼の姿で表されることが一般的です。ただし、中世の絵巻物には、道具の化け物として描かれるなど、変わった姿かたちを持つ疫神が登場します。彼らはなぜ、そのように表現されているのか。当時の信仰との関係から考えていきたいと思います。

【日本科学者会議岡山支部5月例会】

5月例会:固相発泡セラミックの特徴と応用
講演者:岸本 昭 氏 岡山大学大学院自然科学研究科(工学系) 教授
日時:2018年5月23日(水)17:30-18:40
場所:岡山大学理学部本館1階 第11講義室
要旨:セラミックスは高温強度,化学安定性に優れるため,高温構造材料や生体材料としての利用が期待されています。しかしながら,加工が困難であることが利用を妨げてきました。今から30年ほど前にセラミックスでも塑性変形する系が見いだされ,金属同様に塑性加工が可能になると期待されましたが,直接実用化されることはありませんでした。演者は耐火物として知られているジルコニアセラミックスを焼結後,超塑性変形を利用して,発泡体作製が可能であることを見出し,これを超塑性発泡法と名付けました。この固相発泡体の特徴と応用について講演します。

【日本科学者会議岡山支部4月例会】

4月例会:明治の美術とインド -岡倉天心と横山大観を軸に-
講演者:五十嵐 潤美 氏 岡山大学全学教育・学生支援機構 講師
日時:2018年4月24日(火)17:30-18:40
場所:岡山大学理学部本館1階 第11講義室
要旨:江戸時代には遥か遠い国だったインドですが,明治になって日印の美術家たちの交流が始まりました。きっかけは美術行政官で思想家の岡倉天心が,仏教の源流を訪ねてインドに旅したことです。横山大観など日本画家たちも渡印し,インドの芸術家と影響を与え合いました。一見ほほえましい文化交流のようですが,背景では東西各国の帝国主義やナショナリズムの思惑が渦巻いていました。そんな中で,天心が目指したもの,美術家たちが得たものについて,作品の画像を見ながらお話します。

【日本科学者会議岡山支部3月例会】

3月例会:薬になる植物
講演者:谷口 抄子 氏 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 准教授
日時:2018年3月6日(火)17:30-18:40
場所:岡山大学理学部本館1階 第11講義室
要旨:植物は古来より, くすりとして利用されてきました。科学技術の発展により, その成分をとりだし, 開発を進めてきた合成医薬品。その一方で2000年前に書かれたとされる古典の処方に従って植物をはじめとする天然物を組み合わせて使用する漢方薬もあります。これらのくすりは, いずれも, 人体に影響を与え, 治療のために利用されています。多様な側面をもつ植物と人のかかわりについて, 植物成分の構造も含め, お話したいと思います。

【日本科学者会議岡山支部1月例会】

1月例会:倉敷市の過去と未来を考える
- 水島コンビナートの開発を中心に -

講演者:唐澤 克樹氏 倉敷市立短期大学服飾美術学科 助教
日時:2018年1月16日(火)17:30-18:40
場所:岡山大学法学部会議室(文法経2号館2階)
要旨:倉敷市は、2017年に市制誕生から50年を迎えました。市内では, 記念イベントが開催され, 次の100年へと新たな一歩を踏み出しました。しかし, あまり語られる機会はありませんが, 現在の倉敷市が誕生した背景は、必ずしも明るいとは言えません。 本講座では, 倉敷市が誕生した発端となった水島コンビナートの開発に焦点をあて, 歴史を振り返ります。その上で, これからの倉敷市の発展について考えていきます。

【日本科学者会議岡山支部11月例会】

11月例会:重力波の発見
- 2017年度 ノーベル物理学賞の解説 -

  講演者:作田 誠氏 岡山大学大学院自然科学研究科 教授
  日時:2017年11月14日(火)17:30-18:40
  場所:岡山大学理学本館1階第11講義室 
  共 催: 岡山大学理学部職員組合
要旨:2017年度ノーベル物理学賞は,「重力波の発見」でした。この業績は重力波の発見だけでなくブラックホール,それも2つの対消滅の瞬間を発見した画期的なものでした。本講演では (1) まず「波」とは何かをお話しします。水面に広がる波,音,携帯電話からの波,光,ミクロの粒子(原子,電子)の波,そして今回の重力波など,どうして波なのか。そして違いは何かを解説します。次に (2) 重力波の検出法の工夫と「世紀の発見」の意義について説明します。(3) 私の研究(超新星爆発ニュートリノ検出)との関連についても話します。 Caltech滞在時(1982-1985)のよもやま話もします。

【日本科学者会議岡山支部9月例会】

9月例会:安超高齢化社会の諸問題へ挑戦する
「医療統合科学研究科」の設置について

  講演者:五福 明夫氏 岡山大学大学院自然科学研究科 教授
             医療統合科学研究科設置作業部会 部会員
  日時:2017年9月27日(水) 17:30-18:40
  場所:岡山大学工学部1号館1階第2講義室 
  共 催: 岡山大学職員組合
要旨:我が国は世界に先駆けて超高齢化社会となり,世界的にも人口の高齢化が進んでおり,高齢化社会に特有の課題を解決する制度や技術を早急に確立する必要がある。また,岡山大学ではこれまで医工連携によって様々な技術開発を行ってきた。
 岡山大学ではこれらの背景に基づいて,技術を受容する人間や社会の側の立場も理解し,超高齢化社会の様々な課題を解決できる諸科学の発展を推進するとともに,それらの科学を応用して課題を解決できる人材を育成するために,文理融合型の新しいユニークな研究科として,医療統合科学研究科の設置準備を進めている。
 本講演では,問題解決のサイクルに基づいた医療統合科学研究科の人材育成の活動方針,そのための教員組織とカリキュラム概要,および,設置準備状況などについて話題提供し,超高齢化社会に向けた大学の役割を,皆様と一緒に考えたい。

【日本科学者会議岡山支部7月例会】

7月例会:安倍農政に対する危機意識と新たな農政の展望
-〝農〟ある世界の現状に視座をすえて -

  講演者:小松 泰信氏 岡山大学大学院環境生命科学研究科 教授
  日時:2017年7月24日(月) 17:30-18:40
  場所:岡山大学農学部3号館4階 多目的室 
要旨:安倍政権のTPPのゴリ押し,食料自給の放棄,農業・農協に対する実情・現場無視の改悪の連続には恐怖すら覚えます。先の通常国会における「共謀罪」を巡る法案成立が最たるものですが,国民の命に係る「食・農」の世界に関しても,規制改革推進会議が主導するビジネスの論理を優先した法案が,慎重審議もなく成立しました。
報告者も参考人として関わった「農業競争力強化法」は, 決して農業を強い産業とするものではなく〝農業農協解体切り売り法案〟と言えます。それらの問題点を指摘し,農学の使命から考えた〝農〟ある世界,〝農業の根強さ〟をキーワードとしたこれからの農政のあり方を展望したいと思います。

【日本科学者会議岡山支部6月例会】

6月例会:後遺症から見たベトナム戦争 -枯葉剤とPTSD-
  講演者:上杉健志氏 岡山大学グローバル・ディスカバリー・プログラム 准教授
  日時:2017年6月27日(火) 17:30-18:40
  場所:岡山大学農学部1号館1階 第4講義室 
要旨:2000年以降, ベトナム戦争の後遺症に苦しむ人たちによる補償請求がベトナム・米国両国で急増しています。 しかし二つの国では, 後遺症に対するとらえ方が異なります。この発表では, 文化人類学的フィールドワークの経験や科学史的研究を混ぜながら, 戦争後遺症の定義の違いに見られる両国におけるベトナム戦争の意味を考えます。

【日本科学者会議岡山支部5月例会】

5月例会:源平内乱と鎌倉仏教-岡山地域を中心に-
  講演者:久野修義氏 (岡山大学名誉教授(社会文化科学研究科)
  日時:2017年5月17日(水) 17:30から18:40
  場所:岡山大学文法経2号館2階 法学部会議室
要旨:鎌倉時代は, 法然・親鸞, 少し遅れて一遍や日蓮, さらに禅宗をもたらした栄西・道元と「新仏教」開祖があいついで登場し, いっぽう「旧仏教」側もその刺激を受けて清新な動きがみられた時代 とい1うのがよく知られたイメージでしょう。これら開祖とその宗派名や著作を問うのは試験の定番で, 「鎌倉仏教」の単元はひたすら暗記に努めた方も多かったのではないでしょうか。しかしながら上記の理解は, 試験用知識でしかなく, 歴史理解のうえでは欠陥が多すぎて, もはや通用しません。もっと時代との関わりに注目し, わが岡山地域に視座をおいてみると, これはもっと魅力あふれるテーマとなるはずです。そんな歴史の醍醐味の一端をご紹介します。

【日本科学者会議岡山支部4月例会】

4月例会:植物の病原菌認識機構-農学研究の面白さ-
  講演者:白石友紀氏 (岡山県農林水産総合センター生物科学研究所 所長)
  日時:2017年4月25日(火) 17:00から18:00
  場所:岡山大学農学部3号館4階 多目的室
要旨: 自然界には多数の病原体が存在しますが, 一植物種に感染できる病原体の数は極めて限られています。つまり 一植物種は大多数の病原体には「抵抗性」で, 一握りの病原体によって発病に至るというのが自然の姿です。これは, 「宿主-病原体の特異性」と呼ばれる現象です。この「特異性」が決定される仕組みが分かれば, 生物の三大性質の一つである「外界応答」への理解が進むと同時に作物保護にとっても大きく貢献することが期待できます。今回, このような話題について紹介したいと思っています。

【日本科学者会議岡山支部例会】

2月例会:植物の巧みな光の利用術
  講演者:高橋 裕一郎 氏 (岡山大学異分野基礎科学研究所 教授)
日時:2017年2月28日(火) 17:30から18:40

場所:岡山大学農学部1号館1階 第4講義室

要旨: 「光合成」は植物などが無限の太陽光を利用して有機物を生成する反応で, 同時に大気中の酸素を供給し, 二酸化炭素を消費するありがたい反応です。しかし, 光は不安定で, 物質に損傷を与えるエネルギー源で, 取り扱いがかなり厄介です。このような光を光合成反応ではどのように手なずけて利用しているのでしょうか。
 本講演では, 光合成反応において安全に光を集め, 効率的に利用する方法, さらに光合成で得られたエネルギーをヒトが横取りする技術の開発についてもわかりやすく紹介します。

【日本科学者会議岡山支部・憲法研究委員会 合同例会】

12月例会:新しい市民運動について --市民と政党--
  講演者:小畑隆資 氏 (JSA憲法研究委員会・政治学)
      榊原  精 氏 (JSA憲法研究委員会・市民運動論)
日時:2016年12月13日(火) 17:30から18:40

場所:岡山大学法学部会議室
共催:安保方に反対する岡山大学有志の

要旨:「アベ政治を許さない」を掲げた市民運動は、安保関連法の強行採決(昨年9月19日)以降も、市民と野党の連携、そして野党共闘をもとめて運動を続けてきています。全国レベルでの「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(昨年12月20日)や「おかやまいっぽんの会」(今年2月28日)などの各地域での市民の取り組みが、今年7月の参議院選挙で「野党共闘」を実現させ、いま衆議院選挙に向けても取り組みをはじめています。こうした「新しい政治」の動きを「市民と政党」との関係に焦点をあてて整理し、その「新しさ」の特徴は何か、それは、政治学や市民運動論にどのような問題を投げかけているのかについて、日本科学者会議憲法研究委員会(2012年5月発足)のこれまでの研究活動の成果をふまえて報告します。

【日本科学者会議岡山支部例会】

11月例会:福島県甲状腺がん多発問題とその背景の100 mSv閾値論
  講演者:津田 敏秀氏(岡山大学大学院環境生命科学研究科 教授)
日時:2016年11月1日(火) 17:30から18:40

場所:岡山大学農学部1号館1階 第4講義室

要旨: 2011年3月に福島第1原発事故による放射性物質の放出が始まってから, 5年半あまりが経過しました。約2年後の2013年2月, 福島第1原発周辺の市町村の18歳以下の住民全員を対象とした甲状腺検診の結果, 約4万人から10例の甲状腺がん(「疑い」を含む)の症例が報告されました。現在では,約30万人が受診し115例の甲状腺がんが報告された福島県全体をカバーした第1巡目が終わり, 第2巡目の結果が順次発表され約27万人から更に57例の甲状腺がんが報告されました。これは当初の予想を遙かに上回っています。このデータの分析結果と現在もなお続く「放射線による健康影響があるとは考えにくい」とする福島県の報告の背景にある100 mSv閾値(しきいち)論ついて説明します。

【日本科学者会議岡山支部例会】

10月例会:日本中世の世界へようこそ- 日本中世史を学ぶことの意義と楽しさ-
  講演者:苅米 一志氏(就実大学人文科学部 教授)
日時:2016年10月4日(火) 17:30から18:40

場所:岡山大学文学部会議室(文法経1号館2階)

要旨:日本の11世紀末から16世紀末の時代を、ヨーロッパの歴史にならい、『中世』と区分しています。ヨーロッパでもそうですが、この時代は不可解で、ときに『暗黒の中世』、『地獄の中世』などと表現されることもあります。確かにとらえどころのない時代ではありますが、それには相応の理由があり、また一方、他の時代や現代と対比すると、また違った興味深い部分も見えてきます。本講演では、日本中世の時代像を大きくとらえた上で、この時代を勉強することの意義と楽しさについて紹介したいと思います。

【日本科学者会議岡山支部・農学部班合同例会】

6月例会:エチオピア農村からみるグローバル世界-経済投資・海外出稼ぎ・食料援助-
  講演者:松村圭一郎氏(岡山大学大学院社会文化科学研究科 准教授)
日時:2016年6月21日(火) 17:30から18:40

場所:岡山大学農学部1号館1階 第3講義室

要旨:エチオピアは、過去40年あまり激動の歴史を経験してきました。 社会主義革命、内戦、飢饉、政権交代、市場開 放、経済成長・・・。その変化には、この世界が何を失い、どこに向かおうとしているのか、その一端が映しだされて います。 もちろん、日本(人)も無関係ではありません。1998年からエチオピアの農村社会で続けてきた文化人類学的 なフィールドワークの経験を紹介しながら、東アフリカの農民の視点から、グローバル世界の「いま」を考えます。

【日本科学者会議岡山支部】

5月例会:「腸内環境とパフォーマンス -トップアスリート腸内フローラの多様性について-」
  講演者:森田英利氏(岡山大学大学院環境生命科学研究科 教授)
日時:2016年5月17日(月) 17:30から18:40

場所:岡山大学農学部1号館1階 第3講義室

要旨:腸内環境を左右する重要な要因に腸内フローラ(腸内細菌叢)があり,腸内フロ ーラの構成を善玉菌,悪玉菌,日和見菌という区分けではほとんど実情が反映できてい ないこと,すなわち,もっと複雑で奥が深いことがわかってきました。また,健常者と 比較した疾病患者の腸内フローラ,さらに,その両者と比較したトップアスリートの腸 内フローラに特徴的な点や興味深い内容についてお話しします。また,本講演では専門 外の方々でもわかるように,網羅的な細菌叢解析の手法についても紹介いたします。

【日本科学者会議岡山支部】

2月例会:「メダカの恋の分子神経基盤-恋ごころの進化的ルーツを探る-」
  講演者:竹内秀明 氏(岡山大学大学院自然科学研究科(理) 准教授)
日時:2016年2月29日(月) 17:30から18:40

場所:岡山大学 理学部 11番議室(理学部本館1階:正面玄関入って左。)

要旨:メダカの三角関係(オス、オス、メス)において、メスは、オスを視覚的に記憶・識別して、「見知らぬオス」よりも「見知ったオス」を性的パートナーとして選択します。一方で、オスはライバルオスがメスに近づかないように牽制する行動(配偶者防衛)を示します。本講演ではメダカの三角関係において見られる行動を司る遺伝子、神経機構について最新の知見を紹介します。

【日本科学者会議岡山支部】

1月例会:「岡山大学におけるグローバル・ディスカバリー・プログラムの概要と準備状況について」
  講演者:中谷文美 氏(グローバル・ディスカバリー・プログラム設置準備室長,大学院社会文化科学研究科教授)
日時:2016年1月19日(火) 17:30から18:40

場所:岡山大学一般教育棟A棟 A41講義室

要旨:昨年度, 岡山大学はスーバーグローバル大学事業に採択されましたが, その事業の一環として, 2017年(平成29年)10月より, 新しい教育プログラムとして「グローバル・ディスカバリー・プログラム」を設置すべく, 準備を進めています。これは現行のマッチング・プログラム(MP)コースを拡充する形で, 海外から30名, 国内から30名の入学者を迎えて実施する学部プログラムです。新規学部ではなく, また特定の学部内に作る英語コースでもないという意味で, 他大学の取り組みと異なる点がいろいろありますので, このプログラムの概要と, 昨年度から取り組んでいる準備状況について, 具体的にお知らせできればと思っております。

【日本科学者会議岡山支部】

12月例会:「公共放送としてのNHKを考える」
  講演者:小山 帥人(おさひと) 氏 (ジャーナリスト,元NHK報道カメラマン)
日時:2015年12月21日(月) 17:30から18:40

場所:岡山大学農学部1号館1階 第1講義室

要旨:「NHKのニュースが最近おかしい」という声を聞くことが多い。以前から「官庁広報」と揶揄する声はありましたが, 「NHKのニュースだけを見ていると, 日本で何がおきているかわからない」という識者の憂いは増しています。NHKの性格について, 国営, または半官半民とみている人が多いですが, 本当は非営利の独立放送局です。予算等が国会で承認されることなどから, さまざまな制約があります。  放送の戦争中の役割、数々の政治介入などを振り返り, NHKを市民の手に取り戻すことは可能かどうかを考えます。

【日本科学者会議岡山支部】

11月例会:「酸化ストレスは善か悪か? -様々な生理機能や病態形成に関わるその本質に迫る-」
  講演者:上原 孝 氏 (岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 教授)
日時:2015年11月24日(火) 17:30から18:40

場所:岡山大学農学部1号館1階 第3講義室

要旨:「酸化ストレス」という言葉は広く認識され, 色々なところで耳にします.そのほとんどは体に良くない効果をもたらす(病気の原因?) と信じられています.しかし,最近の研究から,酸化ストレスの根源とされる活性酸素種や窒素種は実は生体にとって重要な働きを常にしていることが分かってきました. 本講演では,酸化ストレスの生体での働き(反応)とともに,薬 (サプリ)の抗酸化作用とは何か,などの話をわかりやすく概説したいと思います.

【日本科学者会議岡山支部/農学部班合同例会】

10月例会:「西洋中世の修道院と食事 -「模倣する共同体」を考える-」
  講演者:大貫俊夫氏(岡山大学大学院社会文化科学研究科 准教授) 日時:2015年10月22日(木) 17:30から18:40

場所:岡山大学 文学部会議室(文法経済学部Ⅰ号館2階: 正面玄関入って左奥のエレベーター,2階下りて正面。)

要旨:西洋の修道院文化は中世に形作られ、最盛期を迎えました。本報告では、まず修道院がどのようなしくみで増加 していったのかについて考え、修道士の生活のうち特に食事の内容とマナーについて細かく解説します。これらを見る中で、修道士がいかに新約聖書を模倣しながら共同体を形成していたのかが明らかになり、伝統が脈々と継承されてくる様子が垣間見られるでしょう。

【日本科学者会議岡山支部/農学部班合同例会】

9月例会:「世界を救うウイルス対策技術 -人工 DNA 結合タンパク質でウイルス感染をブロック-」
日時:2015年9月15日(火) 17:30から18:40

場所:岡山大学農学部1号館1階 第4講義室

要旨:自然界には様々なウイルスが存在し,ヒトや農作物などに多大な損害を与えていますが,有効な対処法は見出されていません。 感染自体を防ぐのは容易ではありませんが,感染してもウイルスを殖やさなければ発病しないのではないか。そのような視点から始めたのが,人工DNA結合タンパク質によるウイルス感染の新しい予防法の開発研究です。本講演では,専門外の方々でもわかるように,まずタンパク質についての話から始めて,この分野の紹介をしたいと思います。

【日本科学者会議岡山支部例会】

7月例会:「マイナンバー制度 -制度の概要と問題点について考える-」
日時:2015年7月21日(火) 17:00から18:30

場所:岡山大学法学部会議室(文法経済学部2号館2階東端)

講演1「マイナンバー制度 -共通番号導入の理由と課題-」
講演者:中村 誠 氏 (岡山大学大学院社会文化科学研究科教授)

要旨:2013年5月に「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法 律」が成立し,2016年1月からマイナンバーの利用が開始されます。これまで,共通番号の使用により,社会保障給付を所得に応じて的確に行うこと,また正確に課税することの必要性が叫ばれてきましたが,他方で個人の所得や社会保障給付に関する情報が一元的に管理されることはプライバシー侵害につながるという批判も強くありました。今回は,共通番号の導入の経緯,諸外国の状況などを見ながら,マイナンバー制度とプライバシーの問題を中心に考えます。

講演2「マイナンバー制度-今の焦点- この段階での「利用対象拡大」は,暴走!」
講演者:近藤 幸夫 氏 (弁護士 近藤幸夫法律事務所)

要旨:マイナンバー制度には,「効率」とともに「濫用の危険」が内在している。2013年マイナンバー法制定が強行されたが,慎重な適用と見直し等を条件とされた。ところが,制度施行準備や保護措置も十分でない段階で,利用拡大を図る動きが具体化している。この動きに合理性があるか,大量流出や濫用の危険を極端なまでに拡大することにならないのか。個人情報大量流出の危険はすでに現実化した・・・。
今,なすべき選択は何だろうか,皆さんとご一緒に考えてみたい。

【日本科学者会議岡山支部・農学部班合同例会】

5月例会:「一般企業の農業参入 -農業経営の実態と展開方向-」
講演者 大仲 克俊 氏(岡山大学大学院環境生命研究科 准教授)
日時:2015年6月15日(月) 17:30から18:40

場所:岡山大学農学部3号館3階 第6講義室


農地制度改正に伴い一般企業の農業参入が進展している.国の農業政策の指針において、一般企業の農業参入の推進が掲げられ、企業が地域農業の担い手の一つとして位置づけられている。しかし、一般企業の農業経営やその営農内容は、様々なイメージが先行し、必ずしも明確ではない。そこで、本報告では、土地利用型農業に取り組む一般企業を取り上げ、農業参入企業の実像と農業経営の展開方向について報告し、地域農業における役割と課題について提起する。

【日本科学者会議岡山支部例会】

5月例会:「18歳選挙権と国民の為の選挙制度を考える」
講演者 上脇 博之 氏(神戸学院大学法学部 教授)
日時:2015年5月22日(金) 17:30から18:40

場所:岡山大学農学部1号館1階 第3講義室


戦後の衆議院の選挙制度は中選挙区制でしたが,1994年の「政治改革」によって小選挙区本位の選挙制度に変わりました。しかし,昨年末の総選挙の投票率は53%を割り込み戦後最低でした。特に若者の投票率は低いと指摘されるなか,今国会では,選挙権の最低年齢を現在の20歳から18歳に引き下げる法律案が成立する見込みと報じられています。これを契機に「国民のための選挙制度とは何なのか」真剣に考える必要があります。

公演中の上脇氏

【日本科学者会議岡山支部&農学部班合同例会】

4月例会:「アマゾン土地なし農民による生産の場としての森林の持続的利用」
講演者 石丸 香苗 氏(岡山大学地域総合研究センター 准教授)
日時:2015年4月27日(月) 17:30から18:30

場所:岡山大学農学部1号館1階 第3講義室


ブラジルアマゾンでは、最貧困層の人々が生計のために森林に不法侵入・伐採をし、農業を行う様子が随所に見られます。彼ら“土地なし農民”が、「貧困からの脱却」と「森林バイオマスの回復」を共に実現する「適切な農業生産」は可能なのか? 1.どのような農業生産活動と発展プロセスによるのか、 2.貧困からの脱却は可能となるのか、3.炭素ストックである森林バイオマスを回復可能か、の三点について考えてみたいと思います。

【日本科学者会議岡山支部・岡山大学職員組合共催】

3月例会:「英米の大学と岡山大学の学期制」
講演者 田中 秀和 氏(岡山大学文学部准教授)
日時:2015年3月2日(月) 17:30から18:50

場所:岡山大学農学部1号館1階 第3講義室


岡山大学は,2016年度からの『クオーター制』の導入を推し進めています。クオーター制とはアメリカの 大学の2割程度が導入している学期制度ですが,岡山大学のそれとは根本的な違いがあります。今回の講 演では何が違って何が同じなのか,何が良くて何が悪いのか,それぞれの制度で何を学べるのかを明白にし て, 研究教育機関である岡山大学の社会的役割・責任を考察したいと思います。

【日本科学者会議岡山支部・農学部班合同例会】

1月例会:「地域資源を活用した農村振興 」
講演者 谷口 憲治 氏(就実大学経営学部教授)
日時:2015年1月20日(月) 17:30から18:50

場所:岡山大学農学部3号館3階 第5講議室


「地方創生」という政策用語が,突如現れて独り歩きしています。それまでは,グローバル社会への対応として経済活動を市場原理に任せるという政策,主としてTPP (環太平洋戦略的経済連携協定)問題が注目を浴びていたからです。この「地方創生」は,地方に暮らす国民の最大の関心事で,具体的内容が示されないままに,各人が都合よく考えているのが実情です。その現状と自らの地域資源を活用して農村振興している島根県の実情を紹介したいと思います。

12月例会:「科学の軍事利用を巡る状況と問題点 宇宙が戦場になる! 」
講演者 池内 了 氏(総合研究大学院大学名誉教授, 名古屋大学名誉教授)

日時:2014年12月1日(月) 17:00から18:50

場所:岡山大学理学部本館2階 24講義室
   日本科学者会議岡山支部と岡山大学理学部職員組合の共催
   協賛:岡山県平和委員会,岡山県革新懇,岡山大学職員組合)

2012年のJAXA法の改定によって,日本の宇宙開発の目的が「平和目的に限る」から「安全保障に資する」という条項に変更された。その結果として宇宙の軍事利用が着々と進められる状況となりつつある。さらに,昨年防衛大綱の改定の閣議決定が行われ,大学や研究機関と防衛省との共同研究が具体的に推進されようとしている。このような科学の軍事利用を巡る状況と問題点を論じ,今後どのように対応していくか議論したい。

11月例会2:「年俸制導入:問題提起と討論 」
岡山大学職員組合・日本科学者会議岡山支部共催 全学教研集会

職員組合からの問題提起にもとづき討論いただきます
大学事務局から担当者が質問に答えます。

□年俸制を選択するのは損か得か?
□この制度で岡大に未来はあるのか?

日時:2014年11月26日(水) 13:00〜16:00

場所:岡山大学文法経10番講義室
参加:どなたでも(学生も)無料です.

<参加申し込み先>
各学部単組役員または岡山大学職員組合まで
TEL/FAX:086-252-4148  内線:7168
Email:ODUnion@mb4.seikyou.ne.jp
※資料の準備の関係で事前参加申し込みをお願いします。
但し,当日飛び込みも歓迎します。

以下の案内の印刷用PDFファイル


11月例会:「大学の自治と学長のリーダーシップ:問題提起と討論 」
岡山大学職員組合・日本科学者会議岡山支部共催 全学教研集会

日時:2014年11月12日(水) 13:00〜16:00
   テーマ:
   ・学教法等一部改正と学内規定の見直し
   ・ガバナンス改革
   ・クォーター制・60分授業導入
   ・年俸制導入

場所:岡山大学文法経10番講義室
参加:どなたでも(学生も)無料です.

<参加申し込み先>
各学部単組役員または岡山大学職員組合まで
TEL/FAX:086-252-4148  内線:7168
Email:ODUnion@mb4.seikyou.ne.jp
※資料の準備の関係で事前参加申し込みをお願いします。
但し,当日飛び込みも歓迎します。

以下の案内の印刷用PDFファイル


10月例会:「消費者意識と小売業の変化~商店街とイオンモール~」
話題提供 加賀美 太記氏(就実大学経営学部講師)
日時:2014年10月27日(月) 17:30〜18:40
場所:岡山大学農学部1号館1階 第3講議室


90年代以降の長期不況の結果,日本の消費者の意識や行動が大きく変化したといわれています。一方,同じ時期に,大手小売業は一貫してシェアを拡大し,次々と出店攻勢をかけています。こうした状況において,商店街等の地域商業にはどのような役割があるのでしょうか。そもそも,望ましい商業のあり方とはどのようなものなのでしょうか。90年代以降の小売業の成長と消費者意識を振り返りながら,現代の岡山の事例にも触れつつ,考えてみたいと思います。

9月例会:「日本国憲法の人権国家構想 ―基本的人権の安全保障―」
話題提供 小畑 隆資 氏(岡山大学名誉教授)
日時:2014年 9月30日(火) 17:30〜18:40
場所:岡山大学法学部会議室(文法経済学部2号館2階東端)


安倍首相は、「憲法前文、そして憲法13条の趣旨を踏まえれば、自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置を採ることは禁じられていない」(2014年5月5日、首相記者会見)として、7月1日、集団的自 衛権行使容認の閣議決定に踏み切った。安倍首相は、憲法前文の「平和のうち に生存する権利」と憲法13条の「生命、自由及び幸福追求の権利」すなわち基本的人権を守るということを根拠に「新三要件」を満たせば集団的自衛権の行使は合憲であると正当化している。本報告は、日本国憲法を基本的人権の安全保障の構想として読むことを試みるなかで、安倍首相の日本国憲法理解を批判的に検討する。なお、本報告は、日本科学者会議第20回総合学術研究集会(西 南学院大学〈福岡〉)の憲法研究委員会主宰の分科会「日本国憲法の人権国家構 想―安倍政権の国家構造改革批判」(9月14日開催)での報告に基づいている。

6月例会:「ゴミを宝に変える -効率的な物質変換プロセスの開発-」
話題提供 木村 幸敬氏(岡山大学大学院環境生命科学研究科 教授)
日時:2014年 6月16日(金) 17:30〜18:40
場所:岡山大学農学部1号館1階 第3番講義室


物を始末すること。それが,地球上の資源を最大限有効に利用し,環境保全に役立つことだと思います。捨てられるゴミをもう少し利用できるよう,効率良く転換できるプロセスをたくさん提案したいと努力しています。本講演では,バイオ燃料製造の際の廃棄物から乳酸を,バイオマスから生分解性高分子の素材を効率的に生産するプロセスの開発などを例にして,解説します。

5月例会:「6世紀前半の環境変動
  ―世界の歴史は連動していたのか?― 」

話題提供 新納 泉 氏(岡山大学大学院社会文化科学研究科 教授)
日時:2014年 5月16日(金) 17:30〜18:40
場所:岡山大学文法経2号館2階 法学部会議室


6世紀前半は,日本列島でも大王系譜や在位年代の混乱がみられ考古資料においても連続性が弱く,わかりにくい時代と考えられてきました。一方,ヨーロッパなどの年輪年代とそれにもとづく気候の復元や,グリーンランドの氷床コアの研究から,この時期に短期的な気候の悪化が認められるという学説が広がってきています。火山の噴火などに起因する地球規模の環境悪化がくりかえし世界の歴史に影響を与えていたのか。環境の悪化はどこまで各地の歴史に痕跡を残すのか。四半世紀以上にわたって激しい論争が続いてきたこの問題の現状にふれ,ともに考えてみたいと思います。

4月例会:「近未来のエネルギー源としての天然ガスの可能性
 ―天然ガスの活性化による化学物質への転換―」

話題提供 黒田 泰重人 (岡山大学大学院自然科学研究科 教授)
日時:2014年 4月21日(月) 17:30〜18:40
場所:岡山大学理学部本館2階 23番講義室


近年の私達の生活スタイルは大量(生産・消費・廃棄)をベースとしたものとなっており,今後のエネルギー供給の視点に立つと,将来が危ぶまれる状況であると考える.現在問題となっているように,原子力を利用したエネルギー生産は極力避け,人類がより持続可能となる生活スタイルへの転換をめざしていくべきである.新しい可能性として,天然ガスを化学物質へ効率よく転換し,利用することは近未来の方法の一つであると考える.原子力の問題点,天然ガスの活用法などを話題として,「化学」の視点から紹介する.

2月例会:「サスティナブル・シティについて考える」
話題提供 氏原 岳人 (岡山大学大学院環境生命研究科 助教)
日時:2014年 2月20日(木) 17:30〜18:40
場所:岡山大学農学部3号館3階 第6講義室
※3号館の玄関が18:00に施錠されますので聴講される方はそれまでにご入館下さい。 (施錠は19時まで延長されました.)

私たちの孫の世代,そのまた孫の世代に受け継ぐべき都市(サスティナブル・シティ:持続可能な都市)とはどのようなものでしょうか? 本講演では,まず,「サスティナブルってなに?」の疑問に対して,エコロジカル・フットプリント指標*を用いて解説します。その上で,国内外の都市づくりの先進事例をご覧いただきながら,将来の目指すべきサスティナブル・シティについて考えます。
*エコロジカル・フットプリント指標 とは,私たちの人間活動に伴う環境負荷を土地面積や水域面積に換算した数値です。つまり,現在の私たちの生活がどの程度の土地や水域によって成立しているのかをわかりやすく把握することできます。

1月例会:「歴史学から見た北方領土問題」
話題提供 吉田 浩 氏 (岡山大学大学院社会文化科学研究科 准教授)
日時:2014年 1月20日(月) 17:30〜18:40
場所:岡山大学法学部会議室(文法経済学部2号館2階東端)


北方領土問題について,最近では4島返還以外のさまざまな解決法について公に語られるようになりましたが,日本政府は未だに4島返還による解決を原則としています.そもそも4島返還の主張はどのような根拠に基づくものでしょうか?北方領土をロシア(ソ連)が不法占拠しているという主張は本当に正しいのでしょうか?日露の国境の変遷を歴史的にたどることにより,日露相互にとって受け入れ可能な解決策について考えてみたいと思います.

岡山大学農学部班講演会
講演1: 「生物進化を操るスイッチの探索」
(岡大院環境生命(農・環境生態学コース) 高橋一男氏)
講演2: 「植物恒常的な野菜生産と環境制御」
(岡大院環境生命(農・応用植物科学コース) 安場健一郎氏)
日時:2014年 1月10日(金) 16:00〜17:30
場所:岡山大学農学部第3講義室(1号館1階)


上記の講演会を開催いたしますので,皆様ご参加ください. 院生・学生諸君の参加を歓迎します.

12月例会:「硫黄を食べる微生物」
話題提供 金尾忠芳 氏 (岡山大学大学院環境生命科学研究科 准教授)
日時:2013年 12月16日(月) 17:30〜18:40
場所:岡山大学農学部第3講義室(1号館1階)


硫黄は C, H, O, N, P に次ぐ生命における必須の元素であり,環境中に豊富に存在する。しかしながら無機硫黄化合物をエネルギー源として利用できるのは微生物のみである。酸素を発生しない原始的な光合成から硫黄酸化細菌の自然界における働きまで,硫黄(化合物)を食べる微生物の生態を紹介する。また, 我々がこのような微生物を利用した産業への応用についても解説し,硫黄代謝研究の最前線についても紹介したい。

11月例会:「子ども・子育て支援法と保育のゆくえ」
話題提供 安形 元伸 氏 (倉敷市立短期大学保育学科 准教授)
日時:2013年 11月11日(月) 17:30〜18:40
場所:岡山大学教育学部講義棟1階 5102講義室


2012年8月に,社会保障・税一体改革関連法として,「子ども・子育て支援」関連三法が国会で可決成立しました。消費税が2015年に10%に引き上げられる場合,2015年4月から新しい制度を実施するとされています。本格実施になった場合,現在の保育制度は大きく変わります。しかし,この法が複雑なため保護者や保育関係者にはあまり知られていないのではないでしょうか。そこで,子ども・子育て関連法の概要について紹介頂いた後に,今後の保育制度のゆくえと,望まれる在り方について考察して頂きます。

10月例会:「地球温暖化の原因は何か?―正しい理解に向けて―」
話題提供 野沢 徹 氏 (岡山大学大学院自然科学研究科 教授)
日時:2013年 10月15日(火) 18:00〜19:00
場所:ところ岡山大学理学部本館1階 11番講義室


 地球の平均気温は過去100年間で約0.8℃上昇しており、その主原因は人間活動にともなう二酸化炭素の放出だと言われている。私たちはこのことをどれだけ正しく理解しているだろうか?
 本講演では、地球の平均気温の決まり方や地球の気温を変化させ得るさまざまな要因、それらの相対的な大きさを評価し得る指標、などについて概観した上で、最新の観測事実や研究成果をもとに、人間活動にともなう温室効果ガスの放出が20世紀後半以降の温暖化をもたらしていることを解説する。

9月例会:「月の輪古墳発掘60年の意義 ―現代社会に問いかけるもの―」
話題提供 松木 武彦 氏 (岡山大学大学院社会文化科学研究科 教授)
日時:2013年 9月17日(火) 17:30〜18:40
場所:岡山大学文学部1号館2階 文学部会議室


 岡山県美咲町月の輪古墳の発掘から、今年で60年になります。
この発掘は、戦後の学術的、教育的、地域的な運動の一環として、和島誠一氏・近藤義郎氏などの考古学者と、地元の村民ほかさまざまな人々が連携して、約1,500年前の古墳の発掘調査と研究に取り組んだ記念碑的な活動と言われています。当時の発掘の状況や、さる8月4日に地元で行われた記念行事の様子も紹介しながら、現代の学問的・社会的視点でこの発掘を振り返ることによって、これからの社会と考古学・歴史学とのあり方についてのヒントを探ってみたいと思います。

7月例会:「アベノミクスとは何か」
話題提供 新村 聡 氏 (岡山大学大学院社会文化科学研究科 教授)
日時:2013年 7月16日(火) 18:00〜19:00
場所:ところ: 岡山大学法学部会議室(文法経1号館2階)


 昨年11月14日野田首相解散表明から始まった「株高・円安」の怒濤のような流れは,12月26日安倍内閣発足,4月4日黒田日銀総裁「異次元の金融緩和」発表をへて,どこまでも続くかのような「期待感」を人々にいだかせました。
 ところが5月22日米国連邦準備制度理事会バーナンキ議長の金融緩和示唆発言をきっかけとして米国と日本の株価は急落し,為替レートも円高へ転じました。その後も日米両国の株価と為替レートは不規則な変動を続けています。このような一連の動きは,「アベノミクス」(安倍内閣の経済政策)を,グローバル経済における巨額の投機的資金の流れと一体のものとして理解する重要性を示しています.

6月例会:「生殖医療の現状と課題:卵子のはなし」
話題提供 中塚 幹也 氏 (岡山大学大学院保健学研究科 教授
岡山大学病院産婦人科)
日時:2013年 6月17日(月) 17:30〜18:40
場所:岡山大学農学部1号館1階第3講義室


 厚生労働省研究班は,40歳以上では体外受精の有効性が低いことから「現状の公的助成に年齢制限を設ける場合,39歳以下とするのが望ましい」とする報告書をまとめ,不妊治療への公費助成についての制度改正の検討が始まっています.また政府は,女性を対象に10代から身体のメカニズムや将来設計について啓発する「女性手帳」(仮称)の導入を検討しており,医学的に30代前半までの妊娠・出産が望ましいことなどを周知するとされています.更に卵子提供を求めて海外渡航する女性の報道や,国内初の卵子バンクの設立の報道も続いています.卵子に関連する生殖医療の現状と課題について紹介します.

5月例会:「TPPは日本にいかなる打撃を与えるか「国益」は守れるか」
話題提供 宇野 忠義 氏(弘前大学名誉教授)
日時:2013年 5月14日(火) 17:30〜18:40
場所:岡山大学農学部1号館1階第4講義室


 TPP(環太平洋連携協定)への参加によって日本の農業は壊滅的打撃を受け、衛生植物検疫措置や残留農薬基準の緩和で食の安全や外来病害虫の排除なども崩壊する恐れがあります。医療や医薬品、保険、金融など諸サービス業にも大きな影響を及ぼします。更に、公共事業・サービス調達の開放と投資者の国家提訴権により、外国資本が公共政策や制度を壊すことが心配されています。果たして「国益」は守れるのでしょうか。TPPの真実が知らされないまま、また、国民の議論、理解が得られないまま、参加が決定されることは、後世に、甚大な罪過、禍根をもたらします。命運が懸かるTPPの概要、経済・政治的背景について解説します。ともに考えてみましょう。

4月例会:「流星と彗星の話」
話題提供 藤原 貴生 氏(岡山大学理学部技術専門職員)
日時:2013年 4月15日(月) 17:30〜18:40
場所:岡山大学理学部1号館1階


 先日,ロシアに推定直径が10mをこえる大きな隕石が落下し てニュースになりました。あれほど大きな隕石の落下は珍し いですが,地上まで届かないような小さな物,流星は毎日た くさん地球に降り注いでいます。流星は,年間のある特定の 時期に特にたくさん観察することができますが,これらは流 星群と呼ばれています。過去に撮影した流星群の映像を交え て,いつ空を眺めれば流星がたくさん見られるかお話ししま す。また,今年は久々に明るい彗星が見られますが,その予 備知識と観察方法,流星と彗星の関係などについてもあわせ てお話しします。

3月例会:「体と環境に優しいホウレンソウ作り」
話題提供 村上 賢治氏
(岡山大学環境生命科学研究科 准教授)
日時:2013年 3月6日(水) 17:30〜18:40
場所:岡山大学農学部1号館1階 第3講義室


 ホウレンソウには尿路結石の原因になるとされるシュウ酸が 多く含まれています。また、ホウレンソウなどの葉菜には、 間接的に人体に有害な可能性のある硝酸塩が含まれていま す。植物体へのシュウ酸や硝酸塩の蓄積は窒素施肥と密接に 関わっており、過剰施肥により硝酸塩含量が増加することが 知られています。このことから、植物体の硝酸塩濃度は環境 にやさしい施肥の指標ともなり得ます。今回は、ホウレンソ ウを中心に、シュウ酸や硝酸塩含量を減らすための栽培技術 や品種改良についてお話しします。

1月例会:「邪馬台国と吉備」
話題提供 松木 武彦氏(岡山大学大学院社会分科学研究科教授)
日時:2013年 1月21日(月) 17:30〜18:40
場所:岡山大学経済学部会議室

 「魏志倭人伝」に記された「邪馬台国」の所在に関する最近の議論について整理します。次に、その中で吉備(岡山付近の古名)がどのように位置づけられるのか、新しい知見を踏まえた考古学的観点から考察します。最後に「邪馬台国」論争が、現代の日本社会とどのような関連をもっているかについても展望したいと思います。

11月例会:「くだものからみた日本の農業の課題」
話題提供 森永 邦久 氏(岡山大学大学院環境生命科学研究科教授)
日時:2012年 11月20日(火) 17:30〜18:40
場所:岡山大学農学部1号館1階第4講議室
 岡山県はくだものの一大産地ですが,くだものは食卓に彩りを添えると同時に,さまざまな機能性成分が含まれていることから最近では食生活には欠かせないものとして位置づけられています。しかし,国産くだものの消費は少しずつ減少していることや,産地は中山間地域に多く立地し地域の活性化との関連が深いこと,永年生作物のため近年の気候変動の影響をもっとも受けやすいこと等,農業全体を取り巻く諸問題と深く関連しています。今回はわが国のくだもの生産の特徴や現状とともに,農業を取り巻く諸問題とくだものの関わりについて紹介します。 

10月例会:「ESDと公民館活動」
話題提供 北川 文夫 氏(岡山理科大学 教授)
日時:2012年10月15日(月) 17:30-18:40
場所:岡山大学農学部1号館1階第3講義室
2014年の「国連持続可能な開発のための教育の10年」最終年会合開催地に名古屋市と共に岡山市が選定されました.これには岡山地域がUNESCOのESDに関するRCEに選定されるなどの背景があったと思われます.さらに元をたどると,岡山地域では環境に関する取り組みが地道に市民や公民館で進められていたという背景があります.このたびの報告では,私のかかわっている高島・旭竜エコミュージアムを語る会の活動を中心に,ESDと公民館の関係などをお話ししたいと思います.

7月例会:19総学プレ企画・「ESDリオ+20から 最終年会合へ向けて」
話題提供 青山 勲氏(岡山大学 研究推進産学官連携機構)
日時:2012年7月9日(月) 17:30-18:40
場所:岡山大学農学部1号館1階 第3講議室
「国連・ESDの10年」は2002年ヨハネスブルグで開催された「持続可能な発展」に関する世界首脳会議」で日本政府とNGOが共同提案した運動である。ESDは現在人類が地球レベルで直面する多様な問題(環境,人権,平和,多文化共生,ジェンダー,国際理解,福祉など)を解決するために「教育」を通した「持続可能な社会」を構築するための「人づくり」である。1992年ブラジル・リオデジャネイロで開催された地球サミットでは,「リオ宣言」の他に,「アジェンダ21」,「生物多様性条約」等を締結したが,その後の世界はますます危機的状況になっている。そこでESDの概念が提唱されたが,なお状況は変わっていない。「Rio+20」では,「グリーン・エコノミー」と「制度的枠組み」が主要な課題となる。一連の歴史的な流れと「ESDの10年最終年会合」へ向けての課題,それ以降の課題について考え,今後の対応について討論したい。

6月例会:19総学プレ企画・「海のゴミはどこからやってくる? 〜高梁川流域における海ごみ対策基礎調査をもとに〜」
話題提供 塩飽 敏史氏(公益財団法人 水島地域環境再生財団 研究員)
日時:2012年6月11日(月) 17:30-18:40
場所:岡山大学農学部1号館1階 第3講議室
近年、瀬戸内海をはじめとする各地の海域で海ゴミによる景観の悪化や生物への悪影響などが大きな問題となっています。  海ごみ対策には、回収処理に加えて、発生源対策も重要です。  今回は、瀬戸内海の海ごみ問題の現状と高梁川流域におけるゴミの発生量調査について報告をします。 私たちの暮らしと海の環境問題との関りについて、考えるきっかけとなれば幸いです。

5月例会:19総学プレ企画・「ドイツはなぜ「環境先進国」なのか」
話題提供 上園 昌武 氏(島根大学法文学部 教授)
日時:2012年5月15日(火) 17:30-18:40
場所:岡山大学農学部1号館1階 第4講議室
橋下(前)ドイツは、脱原発や温暖化対策等で大胆な政策を決定し、「環境先進国」と注目されてきましたが、日本の環境政策と何が違うのでしょうか。今回は、温暖化対策と福祉・雇用対策とを統合した省エネ診断制度について報告を受けます。この事例は社会福祉団体が連邦・自治体、企業などと連携して進め、環境と福祉という分野横断の取り組みです(環境政策統合)。住みやすい地域づくりや持続可能な社会のあり方について考えましょう。

5月例会:19総学プレ企画・「ドイツはなぜ「環境先進国」なのか」
話題提供 上園 昌武 氏(島根大学法文学部 教授)
日時:2012年5月15日(火) 17:30-18:40
場所:岡山大学農学部1号館1階 第4講議室
橋下(前)ドイツは、脱原発や温暖化対策等で大胆な政策を決定し、「環境先進国」と注目されてきましたが、日本の環境政策と何が違うのでしょうか。今回は、温暖化対策と福祉・雇用対策とを統合した省エネ診断制度について報告を受けます。この事例は社会福祉団体が連邦・自治体、企業などと連携して進め、環境と福祉という分野横断の取り組みです(環境政策統合)。住みやすい地域づくりや持続可能な社会のあり方について考えましょう。

4月例会:19総学プレ企画・「大阪府教育基本条例の憲法問題」
話題提供 中富公一 氏(岡山大学大学院社会文化科学研究科 教授)
日時:2012年4月16日(月) 17:30-18:40
場所:岡山大学法学部会議室(文法経2号館2階東端)
橋下(前)大阪府知事のもとで作成された大阪府教育基本条例案が、この3月23日大阪府議会で可決されました。4月1日より施行されるこの条例は、「教育行政からあまりに政治が遠ざけられ、教育に民意が十分に反映されてこなかった」という認識のもと、知事が教育目標を定め、教職員の評価、およびそれを行わない教育委員会委員の罷免等を規定しています。これら規定については種々意見がありますが、まずは、現行法が、知事と教育委員会の関係をどのように位置づけているのかを押さえた上で議論すべきように思われます。憲法からみて、今回の改正案がどのように見えるかについてお話しします。

1月例会:勉強会「TPPと日本の政治・経済・農業再建の課題」
話題提供 宇野忠義 氏(元弘前大学教授)+ディスカッション
日時:2012年1月16日(月) 17:30-18:40
場所:岡山大学農学部3号館4階 多目的室
『日本の科学者』2011年7月号(第46巻7号)をお読みいただき、ご持参ください。 とくに下記論考を中心とします。
・「TPPと日本の政治・経済、現代日本の政治対抗の中のTPP(渡辺治)
・アメリカの通商戦略とTPP(萩原伸次郎)
・TPPと日本経済の焦点(藤田実)
・TPPと日本農業再建の課題(田代洋一)
・TPPの国民生活への影響(今井拓)
・TPPが日本の農林業の公益的価値および農山村活性化におよぼす影響(瀬戸昌之)
雑誌をお持ちでない方にもレジメは用意いたします。皆様誘ってご参加ください。

11月例会:東日本大震災と原発事故とロボット技術
講演者: 衣笠哲也氏(岡山理科大学准教授)
日時:2011年11月21日(月) 17:30-18:40
場所:岡山大学農学部3号館4階 多目的室
 今年の3月11日に発生した東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故は,ロボットを専門とする研究者の間にも様々な影響を及ぼしている.特に,レスキュー活動へのロボット技術の応用は1995年の阪神淡路大震災を教訓として進められてきたものであり,この16年間の成果が問われる場面であった.そこで,本講演では,これまで報道,公開されている震災,原発事故へのロボットの導入事例に基づき,今の技術で何ができ,実際に何が行われている,もしくは行われようとしているのかについて紹介する.また,演者の研究する移動機構についても紹介し,ロボットを実用化するための課題が何であるのか議論したい. 

10月例会:マルクスのかじり方
講演者: 石川康宏氏(神戸女学院大学教授)
日時:2011年10月5日(水) 17:30-18:40
場所:岡山大学文法経講義棟19番講義室

9月例会:天気予報・気候予測から考えるカオスと複雑系
講演者: 寺尾 徹氏(香川大学教育学部准教授)
日時:2011年9月12日(月) 17:30-18:40
場所:岡山大学農学部1号館第3講義室

7月例会:東日本大震災に学び岡山の地震災害を考える
講演者: 西村 敬一氏((岡山理科大学教授)
日時:2011年7月11日(月) 17:30-18:40
場所:岡山大学農学部1号館第3講義室


 東日本大震災の発生から100日以上経っても復旧・復興 が遅々として進まないことに胸を痛める毎日です。今回の講 演では,まず,この巨大地震が「想定外」とされたいきさつ と,次第に明らかになりつつある津波・地盤液状化の被害や 発生のメカニズムなどを紹介します。次に,10年近くにわ たって調べてきた岡山県南部の基盤構造の特徴や1946年 昭和南海地震による被害分布との関係などについてお話しま す。また,この観点から,従来の地震ハザードマップ(「ゆ れやすさマップ」)の問題点にも触れたいと思います。

追記:7月例会の参加者は65名で,一般の皆さん,自治体関係者 の参加やマスコミ関係の取材もあり盛会でした.

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6月例会:「近代世界」とアヘン


講演者: 新村 容子氏
((岡山大学大学院社会文化科学研究科教授)

日時:2011年6月14日(月) 17:30-18:40
場所:岡山大学農学部1号館第4講義室


 現在の世界において、医療用以外でのアヘン消費はドラ ッグとして厳しく制限されています。しかし、そのような考 え方が広まったのは、20世紀に入ってからであり、ごく最近 のことです。アヘンと人間とのつきあいは一説によれば3万 年前にさかのぼると言われています。アヘンは古くから国際 商品として流通し、世界各地には多種多様なアヘン文化が育 まれてきました。現代の我々のアヘン認識につながる考え方 は、いつ頃、どのような人々によって主張されはじめ、どの ようにして世界的な世論を形成していったのでしょうか。イ ギリスの非国教徒知識人たちの「社会改革運動」、中国から の宣教師情報、20世紀初頭におけるアメリカの政治的影響力 の増大などが絡んでいるようです。

5月例会:原発事故はなぜ起こったか
-原子力発電のしくみと放射線被爆問題-

講演者: 青山 勲 氏
(岡山大学研究推進産学官連携機構 社会連携本部)

日時:2011年5月17日(月) 17:30-18:40
場所:岡山大学農学部1号館第3講義室
講演概要はこちらからダウンロードできます. 講演概要PDFファイル

東日本大地震は津波,原発事故と連鎖反応的に未曾有の大 惨事をもたらせた。原発事故ではチェルブノイリの原発事故 と同じレベル7の大事故であり,今後10-20年あるいはそれ以 上の期間被災地には戻れない恐れがある。この大事故はどう して起こったか,今日までどのような経過を辿ってきたか。原 子力発電のメカニズム,原子爆弾との類似点と相違点,放射能 と放射線,人間に対する放射線影響,マスコミ報道の分かり難 さと問題点,今後の問題点と課題などについて,分かりやすく お話し頂きます。

追記:参加者は約60名で,盛会でした.以下の写真はそのときの様子です.

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岡山市の都市交通とまちづくり

講演者: 阿部 宏史 氏
(岡山大学大学院環境学研究科教授)

日時:2011年2月14日(月) 17:30-18:40
場所:岡山大学農学部1号館第3講義室


演者は,都市計画及び交通計画を専門とされ,岡山市の総 合政策審議会や都市計画審議会の委員を長年にわたって務め られています。今回の講演では,岡山市における都市交通の 現状とまちづくりにおける課題を述べられるとともに,演者 が検討委員会座長を務めた岡山市都市交通戦略の概要,路面 電車延伸やバス交通改善等の見通し,最近の交通基本法をめ ぐる国の動きなどについて紹介していただきます。

混迷する食環境

〜食の安全と消費者の課題〜

講演者: 山口 英昌氏

日時:2011年1月17日 17:30-18:30
場所:岡山大学文法経1号館3階 文学部会議室


われわれの命をつむぐ食が、混迷の中にある。 自給率40%の一方でTPPの影がちらつき、主食の米の自給さえも危うい。 また、95年に発足したWTOにより、食の安全基準の国際化と緩和が進んだ。 このような状況の中で、輸入食品の汚染、加速する食品添加 物の認可、環境汚染による魚介類への影響、食にかかわ る不祥事件など、われわれを取り巻く食環境はますます 厳しさを増している。これらの背景や問題点をさぐり、 消費者の課題を考える。

近代的年金制度の誕生 - ドイツの場合 -

講演者:田中 優氏 (岡山大学大学院教育学研究科教授)
日時:2010年11月29日(月) 17:30-18:30
場所:岡山大学文学部会議室(文法経1号館3階、エレベータ正面)

年金を受給する老年世代の仲間入りをするようになってようやく、そもそも年金というのは老後に取り返しがつかなくなる事態を避けるためにあるのだということを実感していますが、近代的な年金制度はいつどのようにして誕生したのでしょうか。日本が年金制度を導入する際に大いに参考にしたのはドイツの制度でした。ドイツでは世界に先駆けて近代的な年金制度が実施され、福祉が社会システムとして作動してきました。  ドイツの近代的な年金制度の設計は世界で最初の試みでしたが、それはまっさらな白紙に絵を描くような自由度の高い作業というよりもむしろ、過去の世代が残した歴史的土壌の上に、制度と土壌の親和性を気遣いながら行われた作業でした。高齢者を年金という仕方でどう支えるのか熟議すること二十数年間、ようやくなった年金制度の誕生を、ドイツの政治文化、社会文化との関連で捉えてみたいと思います。



講演者:佐々木健二氏 (岡山大学医歯薬学総合研究科教授)
日時:2010年10月18日(月) 17:30-18:30
場所:岡山大学農学部1号館1階 農学部第3講義室

演者の研究室では,学生が自分で合成した化合物に対して,その機能活性 を自分で測定し,活性評価を行うことが特徴の一つです。 今回の講演では,現在行っている研究について,特に生物活性 (抗マラリア,抗MRSA等)を有する化合物の合成と 生物活性評価を中心にお話し頂きます。

国際標準でない日本人の人権
〜権力的弾圧と冤罪などについて〜

講演者:赤澤 治氏(日本国民救援会岡山県本部)
日時:2010年9月9日(木) 17:30-18:30
場所:岡山大学文学部会議室((岡山大学文法経済学部1号館3階 エレベーター3階で降りて正面)

世田谷国公法弾圧事件、国公法弾圧堀越事件、葛飾ビラ配布弾圧事件、 などの「言論弾圧事件」は犯罪でないものを犯罪にした、と多くのマスコ ミの批判を浴びています。 政治弾圧に加え、日本の刑事事件では有罪率99.9パーセントといわれて います。欧米諸国での有罪率は80数パーセントといわれています。富山県 ・氷見事件、鹿児島県・志布志事件、北九州・引野口事件、今年に入って 足利事件の再審無罪、など多数の冤罪事件があとを絶ちません。 2008年10月31日、国連自由権規約委員会は日本の政府に対し、34項目に わたる勧告を行っています。人権後進国といわれる日本の現実を知ってく ださい。

野生動物を家畜化すること
〜モグラ目とネズミ目の仲間から〜

講演者:織田銑一氏
(岡山理科大学理学部動物学科 教授)
日時:2010年9月9日(木) 17:30-18:30
場所:岡山理科大学11号館8階ラウンジ

人の役にたたないということで、今まで見向きもされなかった野生動物を、飼育下で繁殖できるようになると、胚から老齢状態までが観察できるようになる。それらの研究行為は動物達の生き様を明らかにし、付加価値を与える作業過程のように思えてくる。ジャコウネズミ(モグラ目)やロシアハタネズミ(ネズミ目)等を紹介したい。

国連について考える
 講演者:黒神 直純氏
(岡山大学大学院社会文化科学研究科 教授)
日時:2010年6月21日(月) 17:30-18:40
場所:岡山大学文学部会議室(文法経済学部1号館、エレベーター3階で下りて正面)

 安保理の拒否権,平和維持活動(PKO),集団的自衛権,湾岸戦争,アフガン攻撃,イラク戦争,日本の安保理常任理事国入り,国連改革.今日,国連に関するさまざまな問題が,TVや新聞を賑わしています。わたしたちは,これらの問題をなんとなく知っているような気になっていますが,案外きちんと理解できていないことが多いようです。ところが,国際法の基本知識が少しあるだけで,これらの問題は面白いほど理解できるようになるのもまた事実です。そこで,本講演では,国連憲章に沿って, 国連のしくみとはたらきについて概説して頂きます。この講演を通じて,多くの方に日々の国際問題を見る目を養ってもらい,国連のあるべき姿を描いてもらいたいと思います。

夢と希望と専門職个ア岡山大学の教師教育个ア
 講演者:高橋 香代氏
(岡山大学大学院教育学研究科 教授)
日時:2010年5月20日(木) 17:30-18:40
場所:岡山大学文学部会議室(文学部1号館、エレベーター3階で下りて正面)

昨今6年制や長期の教育実習の導入など教員養成制度のあり方が取りざたされていますが, 問題は制度だけにあるのでしょうか。まず教員養成の教育課程の中身こそ, 議論されるべきではないでしょうか。
 岡山大学では, 本年4月に全学組織である「教師教育開発センター」を設置しました。全学教職課程の企画・運営に携わるセンターとして,教員になる夢を持って入学してきた学生に対し, 教職に就く希望を膨らませることができるカリキュラムを開発し, 専門職として育てたいと願っています。

宇宙植物科学研究
 講演者:杉本 学 氏
(岡山大学資源生物科学研究所 准教授)
 日時: 2010年4月19日(水) 17:30-18:40
 場所: 岡山大学農学部1号館1階 第3講義室

ロシア連邦宇宙局は,月面基地の建設を2020年代に開始する構想を発表しています。アメリカ航空宇宙局長官は「火星は,太陽系の有人探査の最終目標」と述べ,火星有人探査を目指す方針を明言しました。そのため,近い将来には人類が地球から遠く離れた宇宙空間で活動することになり,食糧自給のために宇宙空間で作物を生産する必要があります。しかし, 微小重力や宇宙放射線など地球上とは全く異なる宇宙環境で植物は変化無く生育することができるのでしょうか?

演者らは世界で初めて宇宙空間で大麦種子の発芽と生育に成功しました。また,宇宙空間で長期保存した大麦種子の子孫を用いた世界初となる宇宙ビール「Space Barley」の醸造を行いました。本講演では, 演者たちが行う国際宇宙ステーションを利用した最新の植物科学研究について紹介して頂きます。

ごみ処理広域化の問題点とゼロ・ウェイスト
ー徳島県上勝町の取り組みを参考にー

 講演者:近藤紗智子氏
(岡山大学大学院環境学研究科<地域環境経済学>博士研究員)
 日時: 2010年3月10日(水) 17:30-18:40
 場所: 岡山大学環境理工学部4階422演習室

「岡山県ごみ処理広域化計画ではごみの減量はできない」、広域計画に参加している自治体では「建設費や運営費などの費用負担が荷重となる」と異議を唱え瀬戸内市、備前市が計画から脱退し、和気町でも脱退の道を模索中です。

これらの自治体は、ごみの焼却主義を否定し、「ゼロ・ウェイスト」という新たな視点で、ごみ処理問題に取り組んでいる徳島県上勝町の教訓を生かして、ごみ問題を抜本的に変えようとしています。両市の脱退の経緯を辿りつつ、ごみ問題の新たな観点である「ゼロ・ウェイスト」の基本概念を共に学びたいと思います。

情報視覚化とヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
 講演者:笹倉万里子氏(岡山大学大学院自然科学研究科産業創成科学専攻)
 日時: 2010年2月10日(水) 17:30-18:40
 場所: 岡山大学工学部1号館 大会議室(工学部1号館1階東端)

情報工学といっても,専門でない方には,なにやらコンピュータに関係する分野だという程度の認識しか持っていないかもしれません。 今回は,その情報工学の中で,演者が専門としている情報視覚化とヒューマンコンピュータインタラクションについて紹介していただきます。

 情報視覚化とは,目に見える形のない「情報」に形を与えて表示することで「情報」を把握しやすくしようとする研究分野です.ヒューマンコンピュータインタラクションとは,人間とコンピュータとの関わり,特に人間とコンピュータがどのようにコミュニケーションをするのがよいのか,ということを研究する分野です.今後も人の生活にますます欠かせなくなるコンピュータとどのようにつきあっていくのか,それはひいては人間自身を研究することにもつながります。

重源と栄西个ア「源平合戦」期の社会と宗教
 講演者:久野修義氏(岡山大学大学院社会文化科学研究科)
 日時: 2010年1月25日(月) 17:30-18:40
 場所: 岡山大学文学部会議室
    (岡大津島キャンパス、文学部1号館3階、エレベーター正面)

東大寺再建に活躍した重源(1121箸キ1206)、禅宗を日本にもたらした栄西(1141箸キ1215)、この二人は、それぞれ日本史上でもよく知られたおなじみの僧侶です。しかしながら、この両人を関係づけて理解することは、あまりなされてはいないようです。
 じつは彼らは互いに親しい間柄であり、また意外なほど共通点もたくさんあります。しかも生きた時代は「源平合戦」という未曾有の内乱があった頃。その足跡も東アジア世界への広がりがうかがえます。両人をあわせみることで、通俗的な「鎌倉新仏教論」ではみえにくい、戦争という時代のなかでのさまざまな問題がうかびあがってきます。そんなあれこれについていささかご紹介したいと思います。

錯体化学:色と左右の話
 講演者:小島正明氏(岡山大学大学院)
 日時: 2009年12月7日(月) 17:30-18:40
 場所: 岡山大学理学部1号館1階 11講義室
金属錯体とは, 金属イオンまわりに, 分子あるいはイオンが規則的に結合したものです。金属に結合(配位)した分子, イオンは配位子といわ れます。血液が赤いのも, 植物の葉が緑色であるのも,それぞれ鉄錯体およびマグネシウム錯体によります。このように,錯体は私たちに身近な存在です。金属錯体の美しい色は人々の興味をひきつけてきました。 また, 錯体の中には右手と左手の関係のように互いに鏡像の関係にあるもの(光学異性体)が存在します。今回は,色と光学異性を中心にした 錯体化学を紹介していただきます。

認知症の早期診断技術
 講演者:呉景龍(岡山大学大学院)
 日時: 2009年11月16日(月) 17:30-18:40
 場所: 岡山大学工学部大会議室(工学部1号館1階東端)


「会社は誰のものか -会社法学の視点から-」
 講演者: 米山毅一郎氏(岡山大学大学院)
 日時: 2009年10月8日(木) 17:30-18:40
 場所: 岡山大学法学部2号館2階


「昆虫の行動を科学する -死んだふりは適応的- 」
 講演者: 宮竹貴久氏(岡山大学大学院環境学研究科 動物集団生態学)
 日時: 2009年9月7日(月) 17:30-18:40
 場所: 岡山大学農学部1号館1階 第3講義室

私たちの研究室では、昆虫の行動の適応性、昆虫行動の生態遺伝学的解析、そして昆虫行動を応用した害虫防除の研究を行っている。本講演では、まず、最近、害虫防除の関連で農林水産省と共同もしくは委託プロジェクト研究として行っている諸研究課題(ミバエ時計遺伝子・飛べないテントウムシ・光プロジェクト)を簡単に紹介する。次に昆虫を含む多様な動物が示す「死んだふり」が適応的な行動であるのか、貯穀害虫であるコクヌストモドキとその捕食者を用いた研究を紹介する。貯穀害虫の死んだふりを持続する時間を育種選抜した結果、死にまね行動の深度は昆虫脳内のドーパミン発現量と密接に関係することがわかった。また遺伝的に死にまね行動を頻繁に示す個体は、対捕食者戦略上は有利であり生活史上でも利点は多いが、繁殖戦略では不利な面もあり、生存戦略形質間にドーパミン発現量を基盤とした遺伝的トレードオフの存在が示唆された。

「最近の金融危機と経済危機について」
 講演者: 新村 聡 氏(岡山大学大学院社会文化科学研究科)
 日時: 6月25日(木) 17:30-18:40
 場所: 岡山大学文・法・経済学部講義棟・12番講義室 
(文・法・経済学部講義棟(図書館西側の2階建)の南側入口を入ってすぐ、正面左の教室です。)

  昨年9月の投資銀行リーマンブラザーズの破綻をきっかけとして始まった世界的な金融危機と経済危機は,いまもなお世界中の多くの人々の生活を困窮させています。
 この金融危機と経済危機の真の原因は何なのでしょうか。世界各国の政府が実施している対策はどのような考え方に基づいており,どれだけ成果をあげているのでしょうか。そしてこの危機は,いつどのような形で克服されるのでしょうか。
 結論をひとことで述べるならば,危機の最大の原因は,1980年代に始まる世界経済の大きな変容(グローバル化とマネー資本主義)と,それを促進した新自由主義政策(サッチャー,レーガン,ブッシュ,小泉政権など)です。
 講演では,1980年代以降の歴史をたどりながら,危機がいかにして準備され引き起こされるにいたったのか,今後どうなっていくのかについて,なるべくわかりやすく説明したいと思います。

「フィールドとラボを繋ぐ箸キ野生動物学と実験動物学の醍醐味箸キ」
 講師: 城ヶ原 貴通氏(岡山理科大学理学部動物学科)
 日時: 2009年5月21日(木)17:30-18:30
 場所: 農学部1号館1階第4講義室


「江戸の捨て子たち个ア岡山を中心に个ア」
 講師: 沢山美果子 氏(岡山大学大学院社会文化科学研究科客員研究員)
 とき: 2009年4月20日(月) 17時30分箸キ18時40分
 ところ: 岡山大学文学部会議室(文法経1号館 正面玄関入って左奥のエレベーター 3階下りて正面)

 江戸時代の捨て子は、どこに、どのように捨てられ、そして拾われたのか。捨て子が捨てられた場所や身につけていた衣類、添えられたモノや手紙に託した親の思いとは。そして捨て子を拾い、貰ったのは誰か。そこからみえてくる捨て子の実像を通して、江戸時代の乳幼児のいのちの保護をめぐる問題について考える。
参考文献 沢山美果子『江戸の捨て子たち その肖像』吉川弘文館、2008年


メコン川その農と食 个ア東南アジア大河川文明个ア
 講師: 黒田 俊郎 氏 (岡山大学大学院 自然科学研究科(農学部))
 とき: 2009年3月23日(月) 17時30分〜18時40分
 ところ: 岡山大学農学部1号館 第3講義室

 メコン川は東南アジア最大の川であり、国際河川としてはドナウ川やナイル川の規模に匹敵する。中国においては黄河や長江に劣らず重要な役割を果たしてきた。メコン川には稲作と漁撈を軸として、多彩な農業と食文化が展開している。半ば偶然だが、40年にわたってメコン川流域においてフィールドワークに従事できた。現地で撮影した写真を観ながら、流域に住む人びとの農と食を紹介し、また日本の農業・食料・環境の将来を考える出発点にもしたい。キーワードとしては、モチゴメ・魚・鶏・豚・牛・野菜はもちろん、果実・イモ・水草・キノコ、さらには昆虫食・生肉食品・発酵食品・ナレズシ・塩辛・魚醤・納豆・漬物、タケノコや茶・砂糖・塩・ケシ などなど...。そして「東南アジア大河川文明」論の提唱(?)。


「裁判員制度の可能性と問題点」
 講師: 則武 透 弁護士
 とき: 2009年1月22日(木)17:30から18:40
 ところ: 農学部3号館4階多目的室(場所がいつもと変わっています)

 来年5月に導入される裁判員制度は,無罪推定原則があるにもかかわらず99.9%が有罪だったこれまでの職業裁判官にのみによる刑事裁判を変える可能性を有すると共に,数々の問題点もはらんでいます。これまでの刑事裁判の実情,裁判員裁判の特徴,裁判員裁判の抱える問題点を学習します。 


「絵画のツボ」个ア池田家文庫絵図について个ア
 講師:倉地克直 氏(岡山大学大学院社会文化科学研究科)
 とき: 2008年12月26日(金) 17時00分箸キ18時00分(通例よりも開始時間が30分早いのでご注意ください)
 ところ: 岡山大学文学部1号館3階 文学部会議室(1号館正面玄関入って左、エレベーター3F下りた正面)

 わたしたちが、ふだん何気なく使っている地図。その地図にも長い歴史があり、そのあり方も時代によって大きく変化してきた。地図の歴史のなかでも、日本の江戸時代は独特の位置を占めている。手書きのものから印刷されたものまで、じつに多種多様な地図が作られたからである。そして、そのひとつひとつに当時の社会の特徴が刻み込まれている。
 江戸時代までの古地図は、絵図と呼ばれることが多い。絵画的な表現に特徴があるからである。江戸時代の代表的な絵図が、国絵図である。備前国や美作国といった律令制以来の国を単位とした絵図で、徳川幕府が各地の大名に作成を命じたものである。幕府に提出された国絵図に基づいて、日本図も作られた。
 岡山大学附属図書館が所蔵する池田家文庫には、約3000点の絵図が含まれている。なかでも国絵図と日本図には、他所に見られない貴重なものがある。それらを読み解くことで、どんな江戸時代像がみえてくるか。楽しみながら、絵図をみてみよう。


微生物が産生するクリスタル蛋白質の多様な生物機能
 講師: 酒井 裕 氏(岡山大学大学院自然科学研究科)
 とき:  2008年11月18日(火) 17時30分〜18時40分
 ところ: 岡山大学農学部1号館 第3講義室


 グラム陽性土壌細菌Bacillus thuringiensisは, 胞子形成期にクリスタルと呼ばれる蛋白質凝集体を形成する。クリスタルを構成する蛋白質の中には特異的殺虫作用を示すものがあり, これらはCry蛋白質と呼ばれる。現在までに400種類を超えるCry蛋白質が知られている。その他, 非特異的細胞毒性蛋白質(Cyt蛋白質)及び癌細胞破壊蛋白質(パラスポリン)がクリスタルに含まれることがある。Cry蛋白質は多様な昆虫幼虫に対して特異的で強い殺虫効力を示すため,生物農薬として主として欧米諸国を中心に害虫防除に用いられてきた。一方,パラスポリンはヒトの癌由来培養細胞に選択的に作用し,これを破壊することが1999年に日本の研究グループによって最初に報告された。さらにごく最近,演者の研究室において,Cry蛋白質のクリスタル形成能を利用した蛋白質の効率的大量生産法が発見された。
 今回は,Cry蛋白質及びパラスポリンについて,その生物機能の概要を紹介する。

 
法人化後の国立大学と大学評価
  講師: 早田幸政氏(大阪大学教育実践センター)
  日時: 2008年10月16日(木) 17:30箸キ18:30
  場所: 文学部会議室(文法経1号館3階)



脳が決める:性同一性障害
中塚幹也氏(岡山大学大学院 保健学研究科 ヘルスプロモーション科学領域)
とき: 2008年9月10日(水) 17時30分〜18時30分
ところ: 岡山大学農学部1号館 第3講義室

 人の性には生物学的性(セックス)と社会的性(ジェンダー)とがある.多くの人々のセックスとジェンダーは一致し男女どちらかに属する.しかし,性同一性障害では,性自認(心の性)と身体の生物学的性(身体の性)とが異なっており,性自認に一致したジェンダー(社会的性役割)をとろうとするため,社会との摩擦が起きやすい.物心ついた頃から「性器に関する悩み」が生じ,二次性徴が起きると身体の変化に嫌悪感を抱き,恋愛の問題も発生する.不登校,自殺念慮,自殺未遂・自傷行為も高率に見られる.それぞれが様々な生き方をしようとするが,心の性を身体の性に合わせようとする精神療法は成功しない.すでに全て脳が決めていると考えられる.


モンゴル農牧調査と乳酒の研究
宮 本 拓 氏(岡山大学大学院 自然科学研究科)
とき: 2008年7月24日(木) 17時45分〜18時45分
ところ: 岡山大学農学部1号館 第4講義室

 乾燥アジアの北限をなすモンゴルでは、世界に稀な遊牧騎馬民族に培われた農牧形態と農牧生産技術を継承してきており、これに関わる微生物群とともにユニークな遊牧・食品文化として知られている。私どもは、中国内モンゴル自治区とモンゴル国での乳利用技術と伝統的な発酵乳製品の調査をもとに、世界に類をみないモンゴル独特の発酵乳製品である乳酒(牛乳酒、馬乳酒、駱駝乳酒)の微生物フローラと構成微生物の機能に着目した研究を進めている。それらの概要について述べたい。


植物の環境応答ーストレスと植物 
 
吉岡美保氏(理学部班 大学院生)
 とき: 2008年6月19日(木)17:30から18:40 
 ところ: 理学部11番講義室(正面玄関入ってすぐ左です)


 地球温暖化で世界各地の気温が上昇しています。最近は暖冬と聞いても、珍しく無くなってきています。私達は昔と比べて、一年中高い気温のなかで生活するようになってきているのです。高温にさらされているのは、人も植物も同じ。高温下の植物体中ではどのようなことが起きているのでしょうか?植物の環境応答機構を分子レベルで紹介します。

ヒトと病原菌の闘い: 耐性菌退治を目指して
 土屋友房 氏(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科)
 とき: 2008年5月15日(木)17時30分から18時40分
 ところ: 岡山大学農学部1号館 第4講義室 

 世界保健機関(WHO)の統計によると、人類の死亡原因の第一位は依然として微生物感染症である。抗生物質の発見等により、戦後、感染症は治療できる病気となったかに見えた。しかし、抗生物質などが効かない耐性菌が出現し、しかも多くの抗菌薬が効かない多剤耐性菌が出現・拡大し、臨床現場で重大な問題になっている。私どもは、多剤耐性菌を退治することを目指し、二つの方向から研究を進めている。一つは耐性系の解析であり、もう一つは耐性菌に有効な医薬品の開発である。その研究成果について述べたい。


地域子育て支援機関の課題 个ア岡山における従事者研修プログラムの開発をめざして个ア
中野菜穂子 氏 (岡山県立大学)  村田恵子 氏 (就実大学) 
とき: 2008年3月11日(火)  17時30分ー18時40分
ところ: 岡山大学農学部3号館 第12講義室

 地域子育て支援センター,つどいの広場,子育てサロン・・・「地域子育て支援」と呼ばれる活動が,様々な形で展開されています。こうした,地域で子どもの育ちを支える機関に求められること,担い手であるスタッフの専門性等について,県内の子育て支援機関を対象に行った調査や今年度実施した従事者研修の様子等をもとにお話したいと思います。


住民の手による大気汚染実態調査運動 个ア倉敷市水島の経験から个ア
福田 憲一 氏 (水島協同病院)
とき:   2008年2月15日(金) 17時30分箸キ18時40分
ところ: 岡山大学農学部1号館 第4講義室

 10年ほど前に、倉敷市水島地域を中心に倉敷大気公害裁判を支援すること、地域の環境問題についての住民への啓蒙活動を行なうこと、住民自らが住み・働いている身近な環境問題への気付きを促すこと、などを目的に、幾つかの大気環境の測定運動が住民を組織して取り組まれた。公害裁判の和解などを機に、地域づくりの課題へと視点が移る中で、また大気汚染状況も一部を除いて改善が見られた中で、それらの運動も取り組みがされなくなっていた。しかし最近では、とくに光化学オキシダントによる汚染状況が全国的に悪化する傾向が窺われ、それへの対応を図るために今年6月に久々に大規模調査を予定している。これまで水島地域で取り組まれた住民の手による大気汚染実態調査の内で、自身が取り組んだ事例を紹介し、それが果たして当初目的としたものになっていたのかを考えたい。合わせて今年の参加勧奨になれば・・・と考えている。

地球温暖化問題个アIPCC第4次報告書は何を語っているか个ア
青山 勲 氏(岡山大学資源生物科学研究所)
とき: 2007年12月10日


 今や地球温暖化問題は人類と生態系の存亡に関わる重大な問題として認識されるようになった。その象徴として、今年度のノーベル平和賞は、元アメリカ副大統領ゴア氏とIPCCのグループに授与されることになったことをあげることができよう。よもやま話では、地球温暖化で起こっている様々な現象を紹介し、IPCC第4次報告書の内容について
紹介する。また京都議定書において盛り込まれた炭酸ガス排出の国家間取引の問題についての個人的な見解について述べ、皆さんのご意見を伺いたい。


レスキューロボットの現状と曲がるキャタピラを使った新しいロボットについて
衣笠哲也 氏(岡山理科大学工学部)
とき: 2007年11月15日(木) 17時30分〜18時40分
ところ: 岡山理科大学11号館 8階ラウンジ

 大規模な災害などでレスキュー活動を支援する「レスキューロボット」が注目されている。この講演では、最新のレスキューロボット研究について、瓦礫内外の移動機構を中心に紹介し、現状や今後について私見を述べる。また、我々が新たに開発した新しい移動機構である「柔軟全周囲クローラ」について紹介する。柔軟全周囲クローラとは、一本のクローラ(いわゆるキャタピラ)が上下左右に自在に湾曲する、新しいクローラ型移動機構のことである。


いろいろな野菜のルーツと改良の歴史
村上賢治 氏(岡山大学自然科学研究科 農学系)
とき: 2007年10月15日

野生植物が野菜として栽培化され、現在のような形や味になるまでには、長い年月にわたる改良と、民族の移動や交流の歴史があります。そして、より高品質・高収量の品種、病気やストレスに強い品種、栽培法や嗜好の変化などの需要に対応した品種を育成する努力は、現在もとぎれることなく続いています。また、新しい技術を用いた品種改良も盛んに試みられています。本講演では、いくつかの野菜について、それぞれのルーツと現在に至るまでの改良の歴史を、わかりやすく紹介します。


自民党改憲案の内容とその検討
中富公一 氏(岡山大学法学部)
とき: 2007年9月18日

自民党は2005年11月22日に改憲案をまとめ,安倍政権となってから憲法改正への動きが始まりました。2007年1月9日に防衛省へ昇格,5月15日国民投票法が成立,5月18日集団的自衛権懇話会が発足しています。参院選挙での敗北でこの動きは鈍くなってはいますが,この機会に,自民党改憲案がなにを言っているのか,何を意図しているのかを,特に12条・13条改正案と前文・9条改正案に焦点をあてて検討したいと思います。


地球温暖化、酸性雨等の大気環境問題と解決の方
河野 仁 氏  (兵庫県立大学 環境人間学部 教授)
とき: 2007年7月9日(月) 17時30分から18時40分
ところ:岡山大学農学部1号館1階 第3講義室

 現在の大気汚染は二酸化炭素による地球温暖化、大陸規模に広がる酸性雨など地球規模での広がりを持っています。山岳樹林の枯れも生じています。こうした大気汚染の源は私達の周りの自動車排気ガスや工場、発電所、船舶、家庭等です。こうした現在の大気環境の現状について話をします。日本の特徴として、自動車の優先施策が取られており、交通量の著しい伸びがあります。それによる大気汚染が最近の特徴です。自動車排ガスと交通の話をいたします。公共交通の普及と交通量を削減が課題です。また、地球温暖化対策として新エネルギーの開発が言われていますが、風力発電の導入でわが国の実態はヨーロッパなどと比べてはるかに遅れています。風力発電、太陽光発電、都市の公共交通など、日本の実態に即した技術の導入そのための研究が求められています。日本の風況、風力発電の状況、課題について話します。
 都市のヒートアイランドも西日本の大都市では大きな問題であり、対策が求められています。緑化クールスポットによる対策について話をします。


地球を食べる微生物のお話
上村一雄 氏 (岡山大学 大学院自然科学研究科 農学系)
とき: 2007年6月11日(月) 17時30分〜18時40分


地球上には,光エネルギー(光合成)に依存しない生態系が存在する。深海で発見された生物群集は、地底から噴出する熱水中に含まれている硫化水素、メタン、水素などを酸化して得られるエネルギーを用いてCO2を炭素源として固定して増殖する化学合成独立栄養微生物によって支えられている。従って、この生態系は地球を食べながら増殖する微生物が食物連鎖の起点となっている。地球を構成する元素の中で微生物がエネルギー源として利用できる無機化合物として、硫化水素(H2S)、元素硫黄(S0)、チオ硫酸(S2O32-)、テトラチオン酸(S4O62+)などの還元型硫黄化合物、二価鉄(Fe2+)、アンモニア(NH3)、亜硝酸(NO2-)、や水素などがこれまでに知られている。硫黄や鉄を含む鉱石が,鉄や硫黄を食べる微生物に攻撃されると,酸性の環境が作り出される。講演では,酸性環境下で鉄や硫黄を食べながら増殖する微生物に焦点をあてて、その特殊性と多様性を紹介する。


教員、学生、市民の皆様の多数のご参加をお待ちいたしております。参加費無料です。

連絡先: 松木 武彦(日本科学者会議岡山支部事務局長)
岡山大学大学院社会文化科学研究科
〒700-8530 岡山市北区津島中3-1-1
phone:086-251-7457
tmatsugi@cc.okayama-u.ac.jp
コピーするときは@マークは半角に直してください


第19回総合学術研究集会を岡山で開催

2011年日本科学者会議第19回総合学術研究集会を岡山で開催することになりました.
開催の概要は次の通り.

第19回総合学術研究集会 開催概要
日時:2012年9月14日(金)〜16日(日)
場所:岡山大学津島キャンパス一般教育棟
   (〒700-8530 岡山市北区津島中2-1)

みなさんの積極的な分科会の提案をお待ちしております.


新入会員募集中  (「JSA入会のしおり」09年 (両面フルカラー)

若い大学院生や研究者が,狭い社会にな りがちな研究室を一歩踏み出て,異なる分野の人々と議論する.より広い視野で物事を発想し,次の時代のあるべき学問の姿を模索する.そんな活動にあなたも 参加しませんか.

お申し込みは,以下の日本科学者会議岡山支部事務局へご連絡ください.


日本科学者会議岡山支部事務局
〒700-8530 岡山市北区津島中3-1-1
岡山大学大学院自然科学研究科(理学部・生物学科)
Tel: 086-251-7859
nakahori@cc.okayama-u.ac.jp
(メールを送る場合は@を半角英数の@に換えてください)

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