次回「よもやま話の会」案内
日本科学者会議創立60周年記念
岡山支部例会(Zoom よもやま話の会)
2025年4月例会:麹菌が作るユニークなタンパク質
中島 春紫 氏(明治大学農学部教授)
と き:2025年4月21日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
しょう油、味噌、みりんなどの調味料や清酒は麹菌とよばれるカビを使って作ります。麹菌は日本の食卓の根本を支えていると言っても良いでしょう。麹菌はあまり強いカビではないので、清潔な麹室で大事に育てられます。麹菌はデンプンやタンパク質を分解する酵素をたくさん作りますが、同時にハイドロフォービンとよばれる奇妙なタンパク質も作ります。カビのコロニーが水を弾くのも、カビの胞子が水に浮くのも宙を舞うのも、ハイドロフォービンのおかげ。水を弾く性質と、基材に吸着する性質の両方を持つハイドロフォービンの不思議について解説します。
教員,学生,市民の皆様の多数のご参加をお待ちしております(参加無料)
参加申込先:
岡山理科大学教育推進機構 高原周一
E-メール:takahara@ous.ac.jp
岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域 稲垣賢二
E-メール:kinagaki@okayama-u.ac.jp
日本科学者会議創立60周年記念
岡山支部例会(Zoom よもやま話の会)
2025年3月例会:「地震と原発ー複合災害」
立石 雅昭氏(日本科学者会議代表幹事・新潟大学名誉教授)
と き:2025年3月17日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
昨年元日に発生した能登半島地震は、 地震列島日本に立地する 19原発61基(内24基廃炉決定・3基建設中)の危険性をあらためて明らかにした。これらの原発の30km圏内には、総数470万余の人々が暮らしている。大地震によって原発が事故に至る複合災害となれば、現在の防災/避難計画では人々の命と暮らしは守れない。原発の耐震安全性の非科学性、防災・避難計画の実効性の不備にもかかわらず、自公政権は福島原発事故を忘れ去り「原発を最大限利用する」原発回帰路線をひた走る。本例会では能登半島地震から学ぶべき教訓を軸に、話題提供します。
2025年2月例会:「24時間ポケットの中のカジノ」
~オンラインギャンブルの怖さの秘密~
鳥畑 与一 氏(静岡大学 名誉教授)
と き:2025年2月17日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
あの水原一平氏も「ハマって」しまったオンラインギャンブル。約2年間で賭け回数19000回、一日平均25回、最低10ドルから最高16万ドルの賭けで平均12800ドル負けた・・・恐ろしいことにオンライン上での全ての賭けがデジタル情報として蓄積・分析され、プロファイリングによって「丸裸状態」にされたあなたを巧みに依存症地獄に引きずりこんでいきます。
依存症に陥るのは決してごく一握りの自己管理能力のないギャンブラーではありません。あっという間にあなたの人生を地獄に追いやり、家族を巻き込み、そして犯罪に走らせる恐ろしいギャンブルの中でもさらに恐ろしいオンラインギャンブルについてちょっと学んでみませんか?
2025年1月例会:インフラの長寿命化
綾野 克紀 氏(岡山大学学術研究院 環境生命自然科学学域 教授)
と き:2025年1月27日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
インフラとは,道路や上下水道,ダム,橋,港湾など,生活を支えるための社会資本です.国民みんなの財産です.そのインフラが老朽化し,人命に関わる事故やライフラインの寸断も起きています.この問題を解決するためには,新技術の開発だけでなく,財源の確保も必要です.と,難しいことばかり考えていても明るい未来は訪れません.なぜ,コンクリート構造物は劣化するのか.水島で副産物として産出される「スラグ」を用いれば,全国のコンクリート構造物の寿命を延ばすことができる.そういうお話しをさせていただきます.
2024年12月例会:トラブルの上手な揉め方、収め方
--両当事者が互いに満足する紛争解決方法を求めて--
濱田陽子氏(岡山大学大学院社会文化科学研究科教授)
と き:2024年12月23日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
人々に自分の望みを表現する自由がある限り、他者との不一致や不整合が生じるのは当然のことです。人々はこれまでずっとこうした衝突や対立をより適切に処理する方法を模索してきました。あいにくすべての紛争に対して万能な方法はまだ発見されていませんが、現在比較的よく使われる方法である訴訟、仲裁、調停の3つの方法を紹介し、それぞれの可能性と限界について考えてみたいと思います。
2024年11月例会:過去の生物大量絶滅と近未来の地球環境
大路 樹生 氏(名古屋大学名誉教授/名古屋市科学館館長)
と き:2024年11月25日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
演者は、長い地球史の中で起こった生物進化と、深海生物であるウミユリ類の生物学・古生物学が専門です。地球史と生物進化の歴史を振り返ると、長い期間の安定と短期間の大変動が繰り返されてきたことがわかります。特に大量絶滅によってその後の生物界は大きく変化しました。過去に起こった2度の大量絶滅をレビューし、それぞれがどのような原因で引き起こされたのかを考えます.そして現在、再び大量絶滅の時代を迎えていると考えられ、人類の人口増加や農耕牧畜開始、産業革命などが地球環境に及ぼしてきた影響について考えます。
2024年9月例会(プレ中国地区シンポ):中国地方の鉄路の歴史
小西 伸彦 氏(就実大学特任教授)
と き:2024年9月27日(金) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
中国地方の鉄道の歴史は1891(明治24)年3月18日に開業した山陽鉄道三石・岡山間に始まります。日本の鉄道距離は、明治時代に3回起こった鉄道建設ブーム「鉄道熱」で大きく延びました。山陽鉄道は第1次鉄道熱の申し子で、第2次鉄道熱は1892(明治25)年に公布された「鉄道敷設法」、第3次鉄道熱は1910(明治43)年の「軽便鉄道法」と1911年の「軽便鉄道補助法」を機に起こりました。そして1922(大正11)年の改正「鉄道敷設法」が現在のローカル線の骨組みを完成させました。岐路に立つ中国地方の鉄道について論ずるにあたり、まずその歴史をたどってみたいと思います。
2024年7月例会:『源氏物語』の女性たち
田仲洋己 氏(岡山大学名誉教授/放送大学岡山学習センター長)
と き:2024年7月29日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
今年の大河ドラマ『光る君へ』は『源氏物語』の作者紫式部が主人公ですが、ドラマの随所に『枕草子』や『大鏡』の中の逸話が取り込まれてはいるものの、『源氏物語』そのものへの言及は、6月末の時点ではまだ見られません。しかしながら、幾つかの場面では『源氏』を想起させるシーンが設けられていて、今後の展開が期待されます。そこで今回は、光源氏と関わりを持つ幾人かの女性の人物像を通じて、物語世界の片端を垣間見てみたいと考えています。報告者は『源氏』の専門家とは言えないのですが、古典文学の研究者として少なからぬ関心を持っています。拙いお話になるかと思いますが、御容赦いただければ幸いです。
2024年6月例会:岡山県吉備中央町における有機フッ素化合物(PFAS)問題
森脇ひさき 氏(岡山県議会議員)
と き:2024年6月24日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
吉備中央町円城浄水場から検出された有機フッ素化合物(PFAS)。
浄水場水源のダムの上流にあたる資材置場に置かれていた使用済み活性炭と土壌、ダムに通じる小川からも高濃度のPFASが検出されました。「10年近くも毒の水を飲まされていた」と訴える住民有志。運動は大きく広がり、全国で初めて自治体独自で血液検査と定期的な健康観察が実施されることになりました。
PFASをめぐる国の動き、食の安全、「廃棄物」処理の問題点なども、お話したいと思います。
2024年5月例会:離婚後「共同親権」の問題点
岡村 晴美氏(名古屋南部法律事務所 弁護士)
と き:2024年5月20日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
離婚後も父と母双方が子どもの親権を持つ「共同親権」の導入を柱とした民法などの改正案が国会で議論されています(4月16日、
衆議院本会議で賛成多数で可決され参議院に送られました)。ドメスティックバイオレンス(DV)や虐待の被害者が逃れられなくなる危険
があるなどの懸念が叫ばれている中で、当事者や専門家、国民の声を無視した法律改正は拙速なのではないかという懸念が強いものです.
現行「単独親権」の実態、「共同親権」を強制することの弊害、紛争に対応すべき家庭裁判所の体制の問題、とりわけこどもの利益がどう
なるのかという問題、などについてご講演いただきます。
2024年4月例会:ウイルスの裏の顔
鈴木 信弘氏(岡山大学資源植物科学研究所 教授)
と き:2024年4月22日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
地球上の至るところにウイルスは存在する。少なく見積もって10の30-31乗もの粒子が存在し、それらをつなぎ合わせると銀河60個分の長さに相当する。単細胞の細菌からヒトまで生きとし生けるものからウイルスは見つかる。ウイルスは、一般的に動物や植物に病気をおこす「悪者」と見られている。確かに、COVID19、流行性感冒、肝炎、食中毒を起こしたり、青梅の梅林を破壊したりとその被害は甚大です。しかし、病気を起こさないウイルスもたくさん存在し、上記の数のウイルスのほとんどは「悪者」ではなく、人間にとって役立つウイルスさえもいる。また、「ウイルスの定義」にはまらないウイルスさえ見つかる。本講座では、そんなウイルスの裏の顔、これまで光があたってこなかったウイルスの側面にスポットライトを当てる。
2024年2月例会:薬のお話-その効くしくみと正しい飲み方-
加来田 博貴氏(岡山大学学術研究院医歯薬学域・准教授)
と き:2024年2月19日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
みなさんは風邪をひいた時,どうしますか? アメリカでは医療費がとてつもなく高いこともあり,ふらっと病院に行くわけにはいきません。咳や発熱は,近くのドラッグストアで市販薬を買って対処します。いわゆる「セルフ(自分で)メディケーション(治す)」です。しかしながら,風邪がどのような病気かがわからないと,またそのケアに用いる薬のことがわかっていないと「病院に行かないと不安」と思う人も多いでしょう。
本講演では,風邪がどのような病気なのか,くすりはどのようにして効くのかを解説しながら,どのような薬を選べばいいのか,また子
どもやお孫さんに与えてはいけない解熱剤があることなどを紹介します。
2024年1月例会:植民地支配とアパルトヘイト:パレスチナ・イスラエル紛争の実態
高橋 宗瑠 氏(大阪女学院大学教授 元国連人権高等弁務官事務所パレスチナ副所長 )
と き:2024年1月22日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
2023年10月7日のハマスの攻撃に報復する形で、イスラエルはガザに対する大規模な爆撃や軍事侵攻を続けています。病院や学校、モスクや国連施設など民間施設の無差別攻撃も繰り返しており、大量に民間人が犠牲になっています。そしてその背後は、ガザの住民を全員エジプトに強制追放する意図が見え隠れします。しかし、決して10月7日に全てが始まったのでなく、それに至るまでの背景があります。パレスチナの歴史、イスラエルの軍事占領の経緯などはどのようなものか。それについて、考えたいと思います。
2023年12月例会:お酢を作る酢酸菌とお酢のお話
外山 博英氏(琉球大学農学部 教授)
と き:2023年12月18日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
食酢は酢酸菌がお酒から生産します。海外や沖縄には化学的に合成された合成酢がありますが、日本で流通している食酢はほとんど酢酸菌を使った発酵法で作られています。ですので、食酢も発酵食品なのです。酢酸菌にはユニークな性質があり、食製造以外にも工業的に様々な物質の生産に使用されています。また近年、食酢にいろいろな健康機能があることが明らかにされてきています。本講演では食酢の歴史、食酢の製造方法、酢酸菌、食酢の調理機能、食酢の健康機能などについて解説します。
2023年11月例会:任期付き研究員の実態と状況改善に向けた提案-男女共同参画学協会連絡会のアンケート結果から-
熊谷日登美氏(日本大学 生物資源科学部 教授)
と き:2023年11月20日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
共 催:岡山大学職員組合
労働契約法の改正から10年経った今年3月、研究者の大量の雇い止めが発生しました。本来、任期付き雇用の人達を無期雇用に転換するための法律の改正が、逆にこれらの人達の職を失わせるという事態になっています。昨年、一般社団法人 男女共同参画学協会連絡会で実施したアンケート結果に基づき、任期付き研究員の実態と苦境に置かれている研究者の状況を緩和するための提案についてお話します。
2023年10月例会:JRの経営とローカル線問題
桜井 徹 氏(日本大学名誉教授)
と き:2023年10月23日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
ローカル線の経営危機は、一般的には、マイカー利用の増加や人口減少によるものと捉えられています。果たしてそうでしょうか。2023年4月に参議院国土交通委員会での意見陳述で述べましたように、私は、政府の国土・産業政策と、鉄道会社、JRの経営のあり方にあると考えています。この報告では、JRの経営の在り方とローカル線の経営危機の関係についてお話したいと思っています。 またこれからJRローカル鉄道網をどのようにして維持,発展させていくのが望ましいのか、欧州 特にドイツの鉄道改革と対比させて、意見を述べたいと思います.
2023年9月例会:ジェンダーと戦争の考古学
松本直子氏(岡山大学文明動態学研究所 教授)
と き:2023年9月25日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
ジェンダー格差と戦争は、いずれも現代社会における重要な課題ですが、人類史の中に深く根を張る問題でもあります。短絡的な思考で解決することは難しく、長期的な視点で文明の動態と人間の特異性について考える必要があります。ジェンダーと戦争に関する近年の分野横断的な研究成果を紹介し、両者の関係についても考察します。
2023年7月例会(岡山支部・農学部班合同例会):液体をつかむ!?-餌の粘度に応じた アリの採餌方法の切り替え
藤岡 春菜氏(岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域 助教)
と き:2023年7月31日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
アリやハチなどの社会性昆虫は、巣内の一部の個体が巣外に出て採餌をする。餌をとるだけでなく、巣仲間のためにその餌を持ち帰る必要がある。アリはさまざまな餌を利用することができるが、中でも花蜜や甘露など安定供給される液状餌は、多くのアリにとって主な餌源である。しかし、固形の餌と違い、液状餌の運搬は難しい。
この液状餌を運搬するためアリは、1)飲んで胃の中に液体を貯めて持ち帰る方法と、2)大顎を使い固形物のように液体をつかんで運ぶという、行動を示す。アリ種によりどちらの方法を行えるかは、さまざまである。本講演では、両方の方法を使えるトゲオオハリアリにおいて、液体運搬方法の使い分けがどのようにされているのかを明らかにした研究を紹介する。
2023年6月例会:世界の学校(アフリカ・中東・オセアニア・東南アジア)と日本の教育支援
喜多 雅一氏(放送大学客員教授 )
と き:2023年6月26日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
ICAの国際教育協力に1999年から関わってきた経験の中から,アフリカ(南アフリカ,ガーナ,ルワンダ),中東(アフガニスタン),オセアニア(PNG),東南アジア(カンボジア)を中心に学校の様子と何が課題であるか,日本の国際教育協力で何を目指してどんな成果と課題があったのかを写真や動画を交えてお話しします。 また現在世界の教育トレンド(エージェンシーやグローバルコンペンスなど)についても時間が許す範囲でお話しできればと思います。
2023年5月例会:生命の起源についてどこまでわかったか:生命の起源と初期進化史
山岸明彦氏(東京薬科大学生命科学部名誉教授)
と き:2023年5月22日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
生命はいつどこでどの様に誕生したのか.最初の生命はRNAでできた生命で,陸上の水たまりで,今から41億年前に誕生した可能性が高い.生命誕生の謎を解く鍵は,遺伝の仕組みにある.生物の遺伝情報はDNAに記録されている.遺伝情報は遺伝の仕組みによって翻訳されてタンパク質となり,触媒として機能する.遺伝の仕組みがなければタンパク質はできない.タンパク質がなければ遺伝の仕組みは動かない.その謎を解く鍵がRNAワールドである.RNAには遺伝情報が記録できる.RNAが触媒活性を持ち得ることも明らかとなった.その後,RNA細胞はタンパク質合成系とDNAゲノムを獲得して,進化し全生物の共通祖先になった.全生物の共通祖先から植物,動物が誕生するまでの生命初期進化史も紹介する.
2023年4月例会:水素・アンモニア利用GX の問題点― 脱炭素化には役立たない ―
市村 正也 氏(名古屋工業大学大学院工学研究科 教授)
と き:2023年4月24日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
水素ガスやアンモニアが火力発電所などで燃料として用いられようとしています。また水素を燃料とする自動車も開発され、水素を使った製鉄工程も研究されています。たしかに、水素・アンモニアの使用時には二酸化炭素CO2は排出されません。しかし、その製造過程でのCO2排出を考慮すると、水素・アンモニアの利用はかえってCO2の排出を増やす恐れがあります。本解説では,水素・アンモニアの利用法や製造法を概観したのち,それらの利用がなぜCO2排出を増やしてしまうのかを説明します。
2023年2月例会:倉敷市水島の公害資料館開設とアーカイブズ- みずしま資料交流館ができるまで -
林 美帆 氏((公財)水島地域環境再生財団 研究員)
と き:2023年2月27日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
コンビナートの大気汚染に苦しんだ倉敷市水島では、倉敷公害裁判が提訴され、和解後の「環境再生のまちづくり」の一環として、公害の経験を伝えるための公害資料館(みずしま資料交流館)が2022年10月に開設された。筆者はこれを「みんなの資料館」とするために、地域住民の視点と所蔵資料との接点を探し、『水島メモリーズ』の出版などを行っている。
公害が「困難な過去」であるがゆえの取り組みを紹介する。
2023年1月例会:宇宙での微生物実験と地球外生命探査への挑戦
山岸明彦 氏(東京薬科大学生命科学部名誉教授)
と き:2023年1月23日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
生命は今から40 億年前ころに誕生したと推定されています。誕生した生命が惑星間を移動することはないのでしょうか?生命は有機物でできています。 生命が誕生する前に有機物がどの様にできたのでしょう。生命が誕生する前には、地球上に有機物が蓄積したはずです。有機物は宇宙でできて、宇宙からやってきた可能性があります。 火星は大気が薄い、大変温度の低い惑星です。初期火星の様子がだんだんわかってきて、初期火星には大気も水もあったかも知れません。 火星には生命はいないでしょうか? 宇宙での微生物実験と火星での生命探査の検討状況をお話しします。
2022年12月例会:岡山で脱炭素社会をどうつくるか
上園昌武氏(北海学園大学経済学部教授)
と き:2022年12月19日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
2018年の西日本豪雨では、真備町などで河川氾濫の浸水や崖崩れで甚大な被害を受けたことに記憶が新しいことでしょう。こうした極端な気象災害は、地球温暖化の進行とともにより強力かつ頻繁に発生すると考えられています。そこで、国際社会は、「1.5℃の気温上昇」に抑制した脱炭素社会の構築を目指すこととしています。しかしながら、ウクライナ戦争を契機に石油などのエネルギー価格が急騰してあらゆる物価も値上がりしています。それに対応するために、政府は、莫大な税金を投入してガソリンや電気代などの価格に上限を設けようとしています。いわば化石燃料への補助金であり、脱炭素とは逆行した悪手です。今求められる対策は、化石燃料に依存したエネルギーシステムから転換していく脱炭素社会の構築です。本報告では、脱炭素社会は本当に実現可能なのか、どのような対策や政策で実施していくのかについて、皆さんと一緒に考えてみます。
※報告内容は、除本理史・林美帆編(2022)『「地域の価値」をつくる』東信堂をご参照下さい。
2022年11月例会:植物遺伝子クローニング法の開発と応用
中川 強氏(島根大学総合科学研究支援センター教授 )
と き:2022年11月21日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
遺伝子クローニングはバイオ研究における基幹技術の一つで、広く利用されています。かなり長い間、制限酵素で切断してリガーゼで結合、という方法が用いられてきましたが、現在ではシームレスクローニングなど制限酵素・リガーゼを使用しない手法が普及してきています。私たちの研究室でも新しい手法を適用して様々な植物用クローニングシステムを開発してきました。これらクローニングシステムは世界中の多くの研究者に使用され植物研究の発展に貢献しています。今回のZoomよもやま話の会では、植物用クローニングシステムの開発と気孔(葉の表面に存在する気体交換のための小さな孔)研究への応用について紹介します。
2022年10月例会:深刻化する円安・物価高と日本経済の再生
山田博文氏(群馬大学名誉教授 (経済学))
と き:2022年10月24日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
食料品や公共料金など、私たちの生存に直結する物価が上がっています。しかも、多くの企業が値上げを予定しており、物価高が本格化するのはこれからのようです。
政府は、当初、物価高をロシア・ウクライナ戦争など海外のせいにしていました。さすがに今では、急進展した「円安による輸入物価の上昇」が国内物価の上昇を招いていることを認めざるを得なくなったようです。「円安による輸入物価の上昇」を認めることは、日本の健全な経済社会を破壊してきたアベノミクスと異次元金融緩和政策の「大罪」を認めることになります。
現代日本の経済社会が陥った深刻な問題点の克服は、従来のような経済運営を抜本的に転換し、グローバル経済における日本の正確な立ち位置を踏まえた21 世紀の展望を提示することなしに不可能です。
2022年9月例会:百間川築造の歴史
前野詩朗氏(岡山大学学術研究院環境生命科学学域 特任教授)
と き:2022年9月26日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
戦国武将の宇喜多秀家は,岡山城を築造する際に城の東側を回り込むように旭川の流路を変えて自然の堀として城の要害化を図った.しかし,岡山城付近がボトルネックとなり,城下は度々洪水に見舞われることとなった.岡山藩の政治顧問の熊沢蕃山は「川除けの法」を考案し,後に郡代となる津田永忠に語り,津田永忠が旭川の放水路である百間川を造った.また度重なる洪水や飢饉のために財政が逼迫していた岡山藩の財政基盤を盤石なものにするために百間川の河口付近に広大な沖新田を開発した.百間川は築造以来300年近く幾多の洪水から被害を防いできた.昭和に入って相次ぐ大型台風の被害を受けて,百間川の現代の改修として堤防の築堤,河口水門の増設,分流部の工事が行われ,令和元年に完成した.本講演では、百間川の築造の歴史と治水事業が地域の安全と持続的な発展に果たす役割について述べる.
2022年7月例会:絵を通して知る子供の真実
大橋 功氏(岡山大学学術研究院 教育学域 教授)
と き:2022年7月25日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
私たちが幼児や児童の絵画作品を見るとき、ともすればその見栄えにばかり目が行きがちです。 しかし、子供は大人の目を楽しませてやろうと考えて絵を描いているわけではありません。 「よく見てごらん、そんな色かな?形は間違っていない?」などと指導する場面を想像する人もおられるかと思いますが、今そのような指導をする教員はほとんど見られなくなりました。 子供がその成長・発達の過程において絵を描いたりものを作ったりすることの意味は何なのか、子供の絵画表現を通して一緒に考えてみましょう。
2022年6月例会(プレ・中国地区シンポジウム):岡山市の持続可能な都市づくりを考える
阿部宏史氏(環太平洋大学副学長・岡山大学名誉教授)
と き:2022年6月26日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
岡山市は、2021年10月の市長選挙で現職の大森雅夫氏が3回目の当選を果たし、新たな都市行政の期間が始まりました。 岡山市は、ここ数年の間に、第六次総合計画(後期中期計画)、都市計画マスタープラン、総合交通計画といった都市づくりに関する一連のビジョンを公表しており、大森市長の3期目には、これらの実現に向けた実効性のある取り組みが求められています。一方で、新型コロナウイルスのまん延やロシアのウクライナ侵攻による経済社会の混乱に見られるように、最近の都市や地域を取り巻く状況は不透明です。
本講演では、岡山市における都市行政の要点を解説するとともに、SDGsをふまえた持続可能な社会の視点から、今後の都市づくりのあり方を考えたいと思います。
2022年5月例会(農学部班合同例会):自然栽培稲作の試み
石黒宗秀氏(北海道大学農学研究院 教授)
と き:2022年5月26日(木) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
近年の健康科学の発達により,人の健康が多種多様な腸内細菌の活動で維持されていることが明らかになりました。細菌は,殺す対象から共生する対象へと変化しています。農業においても,農薬・化学肥料の多投を基本とする農法の見直しが指摘されています。農林水産省は,みどりの食料システム戦略を発表し,2050年までに有機農業面積を25%,100万haに増大する目標を掲げています。無肥料無農薬でも慣行農法に劣らない収量を得る報告もあります。北海道において,無肥料無農薬栽培稲作を始めて4年間の経過を報告し,今後の農業の方向について参加者の皆さんと話し合いたいと思います。
2022年4月例会:コリアンにとっての日本の大震災ー関東大震災から東日本大震災へ
鄭(ちょん)幸子(へんじゃ)氏(岡山大学グローバル・ディスカバリー・プログラム(GDP)准教授)
と き:2022年4月25日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
2011年の東日本大震災から12年目を、1995年の阪神淡路大震災からは28年目を迎えた。1923年の関東大震災からは来年で百年です。「日本人」の経験として描かれることが多い大震災を、コリアンはどのように経験してきたのだろう。参加者の皆さんの個人的な経験も踏まえ、よもやま話をしながら大震災からの教訓を活かす道を一緒に探りたい。
2022年2月例会:気候と音楽とESD ―日本やドイツの季節の理解を軸に―
加藤 内藏進 氏(岡山大学大学院教育学研究科 教授)
と き:2022年2月28日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
季節の変化が明瞭な中高緯度地域の中でも,日々の変動性も含めた季節サイクルの特徴や季節感は,実は地域毎にかなり違います。本グループは,日本やドイツや北欧を中心に,そのような「季節サイクルの詳細」に敢えて目を向けて気候を研究するとともに,「季節感」を接点に気候と音楽(特に歌)と連携し,学際的なESD 文化理解教育の指導法開発に取り組んできました。本講演では,その一端を紹介します。なお,ノーベル賞を受賞された真鍋淑郞先生は,本講演とも関連の深い「チベット高原と東アジアの気候系」に関する先駆的な研究もされており,本講演でも若干触れる予定です。
*本講演は,加藤晴子氏(岐阜聖徳学園大学教育学部(音楽)元教授)との共同研究の一環です。
2022年1月例会:ソ連崩壊30年の歴史的意味-なぜロシアは権威主義的・帝国主義的道を歩むのか
吉田 浩 氏(岡山大学大学院社会文化科学研究科 准教授)
と き:2022年1月31日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
昨年12 月25 日でソ連崩壊から30 年が過ぎた。また,今年の12 月30 日にはソ連建国100周年をむかえる。過去100 年をソヴィエト・ロシアからみると,はじめの30 年はスターリンの時代で,建国期およびファシズムとの戦いの時期となる。後半は冷戦の40 年,そして新生ロシア期の30 年となる。日本では,アメリカ側の視点からの情報によってロシアや国際情勢について判断しがちであり,最近のロシアの動きはウクライナ併合に代表されるように権威主義的かつ帝国主義的にみえる。ペレストロイカによって民主主義への扉が開かれたロシアにソ連崩壊30 年で何が起こっていたのかについて考えたい。
2021年12月例会:コロナ後の都市と交通を考える
氏原岳人氏(岡山大学学術研究院環境生命科学学域 准教授)
と き:2021年12月20日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
COVID-19のパンデミックによって、私たちの生活は大きく変化しました。例えば、これまでの日常的な通勤活動は在宅勤務になったり、食事や買い物もオンラインで対応することが増えてきました。今回の私たちのライフスタイルの変化は、都市や交通にどのような影響を与えたのでしょうか?さまざまな調査結果をもとに、それらを把握するするとともに、今後の都市や交通のあり方について考えてみましょう。
2021年11月例会:吉備と大和の考古学最前線-邪馬台国からヤマト王権へ
松木武彦氏(国立歴史民俗博物館 総合研究大学院大学 教授)
と き:2021年11月29日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
ヤマト王権の確立に、弥生時代以来力をもった吉備勢力の関与があったことは、従来から説かれてきました。近年、両地域のポピュレーション(人口とその分布)の変化や気候変動のプロセスが復元され、その具体像や社会的な背景が明らかになってきました。
その成果を踏まえ、関連する資料についての新しい解釈や知見にも触れながら、邪馬台国からヤマト王権へとつながる3世紀(弥生時代末~古墳時代初頭)という日本国家形成期において、吉備がどのような動きをみせ、役割を果たしたのかを考察します。
2021年10月例会:非モデル生物・タデアイと真正粘菌の生化学的研究
南 善子 氏(岡山理科大学理学部生物化学科 教授)
と き:2021年10月26日(火) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
生化学では,モデル生物とよばれる生物が研究対象としてよく用いられます。例えば,植物のシロイヌナズナや微生物の大腸菌などが代表例です。これらは世代交代が早い,培養が容易,ゲノム配列が明らかになっているなど,研究に利用しやすい特徴を持ちます。しかし,生物は多様であり,大半が他の生物に見られない固有の性質をもちます。今回は,藍染めに用いられる植物タデアイが染料のもとになる化合物を作るしくみをご紹介します。また,真正粘菌という原生生物の特徴とその研究についてもふれ,非モデル生物の面白さをご紹介したいと思います。
2021年9月例会:特性X線ミューオンによる考古学研究の新展開
南 健太郎 氏(岡山大学埋蔵文化財調査研究センター 助教)
と き:2021年9月28日(火) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
ミューオンは物質に対する透過力が極めて高いX線で、これまで物理学をはじめとして様々な分野で利用されてきました。近年は文化財や遺跡の調査への応用研究が進められており、これまでの技術ではなし得なかったような研究手法が開発されています。
今回はミューオンを利用した研究事例を概観し、考古学と異分野で取り組む新たな歴史研究の形を模索したいと思います。
2021年7月例会:自然災害について考える
松多信尚氏(岡山大学大学院教育学研究科 教授)
と き:2021年7月26日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
日本列島は今年も大きな災害に見舞われました。 災害のたびに、新しい問題が指摘され、その対策を協議しているにもかかわらず、いっこうに災害は減る気配はありません。岡山は比較的災害の少ない地域と信じられていますが、2018年(平成30年)西日本豪雨や来るべき南海トラフ地震など、決して災害と無縁ではありません。本講演では、そもそも災害とは何なのか?防災・減災とはなんなのか?ということを自然地理学的な視点から解説し、その上で、先人がどのように災害及び自然環境と付き合ってきたのか、未来に向かって我々はどのように災害と付き合って行くべきなのかについて、学校教育もふまえて考えたいと思います。
2021年6月例会:「学費と奨学金問題」とその行き着く先の問題
コント出演 橋本祐樹 氏(北海道合同法律事務所弁護士)
コント出演 柿田泰成 氏(北海道合同法律事務所事務員)
と き:2021年6月28日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
・奨学金問題って聞くけど、そもそもどんな問題?原因は何?
・単なる大学生の経済問題や卒業後の返済能力の問題に転嫁できない社会構造の大問題。
・学費と奨学金の問題を基礎から学び、みんなで考えましょう。
・給付型奨学金制度が導入されたよね?大学授業料の減免も実施されているんだよね?
・報道で耳にする魅力的なワード・・・その現実も学び、みんなで考えましょう。
・若者の進路からまともな選択肢を奪った先に見える未来とは?
・20XX 年の日本をリアルに予想する前代未聞抱腹絶倒講演総復習コント付き。
2021年5月例会:人口減少時代のまちづくり
中山 徹氏(奈良女子大学生活環境学部教授)
と き:2021年5月28日(金) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
少子化対策は重点的に取り組むべきですが,それでも日本では人口減少が避けられません。現代の都市計画は,人口や産業が増え続ける時代に,それを効率的に受け止めるための技術として確立されました。人口が長期的に減る時代を迎え,都市計画をどのように展望すべきでしょうか。他国の事例などを踏まえながら,今後のまちのあり方を考えます。
2021年4月例会:ヒト脳の多階層な脳機能の解明と臨床への応用
楊 家家氏(岡山大学大学院自然科学研究科 助教)
と き:2021年4月20日(火) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
ヒトの脳は,約1000億個もの膨大な数の神経細胞が多段階の階層構造をもつ複雑な生体情報処理システムです。脳では,機能素子である神経細胞が,それぞれの階層において神経回路を形成し,高度な情報処理を行うことにより,多様な脳機能を実現しています。 また,その神経回路の破綻は,認知症やうつ病などの神経・精神疾患を引き起こし,日常生活に支障をきたします。 従って,脳の各階層における神経回路の動作原理の理解,それに基づいた精神・神経疾患の病因解明および予防・治療法の開発は極めて重要な課題となっています。演者の研究室では,最先端の7 テスラ超高磁場・機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を駆使して,ヒトの大脳皮質層間の神経回路機能の解明を通じて,ヒト脳の多階層な機能の解明に関する研究を展開しています。また,様々な精神活動とその異常を各階層の脳機能に結びつけて理解し,認知症などの変性神経疾患の早期診断法の開発への応用も進めています。
本講演では,本年度からスタートのJST 創発的研究支援事業の研究課題である「7 テスラ超高磁場fMRI 技術を新機軸としたヒト脳の多階層な機能の解明」を中心として,これまでの研究成果と今後の展望を紹介させていただきます。
2021年2月例会:IR型カジノは、天使か悪魔か~地域経済の視点から~
鳥畑与一氏(静岡大学人文社会科学部教授)
と き:2021年2月24日(水) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
成長戦略―国際観光客6000万人達成の切札とされるカジノを含む 統合型リゾート(IR)。いよいよIR事業者の募集が横浜市でも開始され、地元で大きな争点になっています。世界最高水準の国際展示・会議施設(MICE)や娯楽施設で家族みんなが楽しめ、世界中から観光客を誘引できる統合型リゾートであり地域経済活性化をもたらすとされますが、それを支えるのがカジノの高収益です。
ギャンブル(賭博)の稼ぎに依存したIRが地域経済に何をもたらすのか?日本人のギャンブル漬けに支えられるIR型カジノは、決して岡山県民にとっても関係ないことではありません。
2021年1月例会:日本が世界に誇る発酵技術による「もの作り」-微生物変換による,医薬品・化粧品・食品機能性素材の開発-
神崎 浩氏(岡山大学大学院環境生命科学研究科 教授)
と き:2021年1月25日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
日本は味噌・醤油・酢・みりん・日本酒・納豆・漬物などの発酵食品の宝庫であり,これらの発酵食品は麹菌・酵母菌・乳酸菌などの有用微生物を巧みに活かしてきた技術の裏付けで生産されてきた。その技術を科学的に解明し,さらに発展させようという試みが多くの応用微生物学者によってなされてきている。我々の研究室では,微生物が生産する酵素を用いて,天然に存在する化合物をより高機能な物質に変換する研究を行ってきており,医薬品・化粧品素材・食品機能性素材なりうる新規の化合物を創生してきた。また岡山県真庭地域のバイオマスの利用研究として,キノコによる針葉樹バイオマスの有効利用研究も行ってきた。それらの事例紹介と,岡山大学農学部附属の農場で生産された農作物で製造されている日本酒 「おお岡大」について紹介する。
2020年12月例会:やった!守った!市民と学者で政令大阪市
藤永のぶよさん(NGOおおさか市民ネットワーク)
と き:2020年12月14日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
2度目の住民投票では、多様な市民運動が立ち上がりました。そして131人の学者は、大阪市廃止反対こそが正しいという科学的論拠を示しました。市民は、マスク掛けで路地裏でいっぱい語りました。「財政調整基金がね…」と、隣の奥さんに、町会のおっちゃんに話すのです。ボランテイアの青年たちが撒いたビラは50万枚を超しました。「〇〇区なくなったらいやや」」「カジノあかんで」「今はコロナ対策せえや!」と、反響は日に日に大きくなり、11月1日、闘って勝ったのです。コロナ禍での市民の闘いを、エピソードを交えてお話します。
2020年11月例会(第15回女性研究者・技術者全国シンポジウム プレ企画)
:市民の視点で作成したジェンダー統計リーフレット
眞邉 和美氏 (岡山市ジェンダー統計を語ろうかい)
と き:2020年11月24日(火) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
国連でも日本でも、ジェンダー統計の活用は、男女共同参画社会を促進する上での必須事項となっています。しかし、その重要性を理解している政策立案者や企業経営者、科学者、そして市民たちはまだまだ少ないのではないでしょうか。ジェンダー平等を願う岡山市民たちの意向を基に、市民と岡山市が協働作成した「岡山市ジェンダー統計リーフレット」をご紹介します。統計表としては異例と指摘を受けましたが、市民の想いが入った統計図表と市民の行動課題も合わせてご紹介したいと考えています。
2020年10月例会(第15回女性研究者・技術者全国シンポジウム プレ企画)
:第5次男女共同参画計画策定に関する政府素案をめぐって
伊藤 セツ氏(日本科学者会議 代表幹事)
と き:2020年10月19日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
政府は、男女共同参画社会基本法に基づき、2020年末を目途に、新たな第5次男女共同参画基本計画を策定しようと、男女共同参画会議第5次基本計画策定専門調査会にて検討を進めています。そこでまとめられた「第5次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方(素案)」について、2020年9月7日までパブリックコメントが募集されていました。この素案の内容およびそれをめぐってのさまざまな話題(特に「第4分野」を中心に)を提供し、みなさまとともに男女共同参画計画について考えていきたいと思います。
2020年6月例会:輝く農山村の地域づくり-バイオマス資源の活用による付加価値創出の可能性-
駄田井 久 氏(岡山大学大学院環境生命科学研究科 准教授)
と き:2020年6月29日(月) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
近年,地球温暖化対策,地域活性化など様々な課題解決のために,バイオマス利活用が全国で推進されています。バイオマス利活用循環サイクルには様々な主体が関わり,様々な効果を創出していると考えられます。 “バイオマスタウン真庭市”を事例として,生ごみのバイオマス利活用による,1)農産物の高付加価値化,2)バイオマス利活用の循環システムに関わることによる住民意識の醸成効果の可能性を検討します。
2020年5月例会:新型コロナウイルス感染症COVID19 パンデミック:われわれに何ができるだろうか
岡 剛史さん(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科)
と き:2020年5月28日(木) 17:30〜18:40
開催方法:Zoomを使ったリアルタイムオンライン
新型コロナウイルス感染症COVID19 パンデミックは全世界で深刻な状況となっている。各国で強力なロックダウン(都市封鎖)が行われてきた一方で深刻な社会・経済的な崩壊現象がおこりつつあり、世界はロックダウン解除、規制緩和へと向かっている。しかし中国武漢、韓国ソウル、イラン、ブラジル、ドイツでCOVID19 再拡大が報告され、新型コロナウイルスの世界での感染者は依然増加傾向を維持しており日本時間5 月17 日現在、累計453 万人を超え5 月10日に400 万人に達してから1週間で50万人増えたことになる。日本においても緊急事態宣言解除が行われつつあるが第2、第3 の感染流行の再燃が起こることが強く懸念されている。このような状況を打開し新型コロナウイルス感染症COVID19 パンデミックの制圧と社会・経済的な崩壊現象の阻止のために我々に何ができるのかその方策について考察する。
未曽有の地球的規模の人類危機に対し、すべての科学者・研究者の英知を結集し戦略を練りこの難局を克服するために、大学・研究所・民間の科学者・研究者がどのような社会的役割を果たすことができるか議論したい。
2020年1月例会:年金はどうなるのか? - 2019年財政検証を読み解く -
岸田 研作 氏(岡山大学大学院社会文化科学研究科教授)
と き:2020年1月20日(月) 17:30〜18:40
ところ: 岡山大学理学部11番講義室
最近、公的年金では老後の生活費が賄えず、2000万円の貯蓄が必要という報道がなされ、人々の間に老後不安が広がっています。私たちの老後はどうなるのでしょうか?
昨年公表された政府の年金予測をもとに、私たちの老後見通しについて解説します。将来の年金がどうなるかは、私たちの働き方や私たちが公的年金に求める役割によって変わります。それらについて、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
日本科学者会議岡山支部事務局
〒700-0005 岡山市北区理大町1-1
岡山理科大学 教育推進機構
高原 周一
TEL&FAX 086-256-9607 (直通)
takahara@ous.ac.jp
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