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【講演会・分科会一覧および分科会概要】

詳細な講演時間はプログラムのページ参照

【特別講演会】
 記念講演 池内 了:持続可能な社会への変革をともに (14 日午後)
 3・11の大震災と原発事故によって,私たちは大きな衝撃を受けるとともに,科学者としての生き様を考え直すことを求められた。そのうちの2点,専門家としての科学者の社会的責任はいかなるものか,市民の科学への信頼がゆらいでいることをどう克服していくか,について論じてみたい。現代文明が科学・技術に依拠しているが故に,そして持続可能な社会への変革を展望するが故に,科学者として考えねばならないと思うためである。

 特別講演
 特別講演1 安斎育郎:原発破局への道
         〜翼賛体制を構成した7 つの要因と変革への道〜 (14 日午後)
 福島原発事故の発生以来,私は各地に講演に赴いたが,人々の関心は,放射能の影響の問題に集中していた。それは当然ではあるが,私は,この国が原発開発に走り破局を迎えた背景には,アメリカの対日核エネルギー戦略や,それを受け入れた日本政府,それと結合した電力資本など,戦後の政治・経済の動きがあったこと,そして,そうした体制の変革こそが必須であると感じてきた。本報告は,日本の原発開発の歴史に焦点を当てる。

 特別講演2 室崎益輝:安全・安心な社会の構築のために
         〜防災に何が必要か〜 (14 日午後)
特別講演2:室崎益輝「安全・安心な社会の構築のために〜防災に何が必要か〜」
 東日本大震災で問われたことは,日本の社会が持っている歪そのものと,巨大災害に対する備えの弱さである。この社会的歪や備えの弱さを克服することなくして,安全な社会の構築はなしえない。また,自治や自律という根源的な視点を忘れて,社会の安全は語れない。具体的には,危機管理と減災というキーワードに即して,日本の社会とその防災対策の持っている問題点,とりわけ被害想定と緊急事態対応の在り方について考察をする。

【交流会】
  市民団体との交流会           (14日夜)
「市民の科学」と「市民の運動」の現状と課題について考えます。<エネルギー,原発,防災>をテーマに,池内・室崎両氏の参加も得て,市民団体・個人とJSA・会員が相互に意見と経験を交流しあう場です。多くの方々との交流を通じて,より豊かなネットワーク形成と持続可能な社会の実現を進めます。
 一般公開の交流会になります。参加費無料につき、広く一般の方々の参加も歓迎いたします。

  女性研究者交流会           (14日夜)
 世代,専門分野を超えた女性研究者の交流を目的に交流会を行います。交流会では,ワンコインでの軽食を取りながら,まずはお互いの自己紹介を行い,それぞれが女性研究者として抱えている問題や疑問を交流するなかで,今,女性研究者をめぐって何が問題なのか,具体的な経験を通して考えていけたら,そして,交流会で出された問題を,さらに,翌日の分科会「女性研究者・技術者のこれまでと今,そしてこれから」の議論へとつなげていけたらと考えています。非常勤の方も,院生の方も,研究を続けていきたいと思う方なら誰でも,また男性の方もぜひご参加ください。
 参加希望者は,E-mailにてお申し込み下さい。申し込みメールは,件名に「19総学女性交流会参加申込」,メール本文中に氏名,連絡先(E-mailアドレス), 「会員 or 非会員or 院生・学生」を記入の上,sasakura@momo.cs.okayama-u.ac.jp までお送り下さい。参加費(500円)は,当日会場にて集金します。

  JSA若手「夏の学校」2012 開校式   (14日夕)

【マスターズレクチャー】(15日9:00-9:50)
 これまで日本科学者会議(JSA) の活動を中心となり担ってきて頂いた方々の活動経験 を,現役世代,特に若い世代にメッセージとして伝えて頂きます。JSA との関わり,活 動の思い出,今後のJSA や現役・若手・院生会員への期待などを,お話し頂く予定です。
    川崎 健:JSA と私の研究.半世紀を振り返って. (15 日午前)
    北村 実:JSA は学問の伴侶 (15 日午前)
    小森田精子:JSA 会員の協力で作り上げた講義 (15 日午前)
    本間 愼:JSA に育てられて (15 日午前)

【ヤングサイエンティストレクチャー】(15日14:00-14:25)
 全国各地で活躍中のJSA 若手会員が行っている自らの専門研究を一般向けに分かり易 く紹介して頂きます。
    大城 尚子:「安全保障」と植民地主義
    小倉将志郎:現代資本主義と「金融化」アプローチ
    衣笠 哲也:レスキュー活動支援等のための移動ロボット技術について
    佐川 清隆:太陽光発電・風力発電の出力変動への対応
    鈴木 忠義:「貧困ビジネス」の現状と課題
    田口 直樹:技術論から見た日本の製造技術
    田村 隆 :微量必須元素セレンと私たちの健康
    長島 雅裕:銀河の成り立ちを探る
    長谷川千春:アメリカと日本の「無保険」問題
    浜田 盛久:無水鉱物中の微量の水から島弧マグマ中の
             水の量と挙動を読む新しい試み
    牧  良明:日立における自動車部品事情

    場所:各分科会会場

【講演募集分科会の概要】
【S 特別セッション】
[S-1]19総学特別セッション「東日本大震災.復旧・復興への提言」
コーディネーター:伊藤宏之(東日本大震災問題特別研究委員会)
連絡先:hitoh@educ.fukushima-u.ac.jp
設置趣旨:東日本大震災は,未曾有の災害を引き起こし,さらに原発被災による放射能の放出や津波による太平洋海岸部の水産業,農業に深刻な被害を与えている。この特別セッションでは,この大地震による被害の状況を多面的に分析するとともに,津波に対する防災や被災地の復旧・復興に関して科学的な視点と住民の声を反映した論点から考察を行なう。また,原発への住民運動の現状とそれを踏まえた考察も行ない,復興に向けた提言を行なう。

【L 特別分科会】
[L-1]古代吉備の環境と歴史
コーディネーター:今津勝紀(岡山支部)
連絡先:tmatsugi@cc.okayama-u.ac.jp
設置趣旨:吉備を中心とした瀬戸内は,近畿と肩を並べるような巨大古墳を生み出し,その後の律令体制下においても有力な地域として独自の地歩を保って,その後の歴史的発展の基礎を築いた。こうした歴史的な特性が,瀬戸内独自の環境と人々の営みとのどのような相互作用によって形成されたのかを,主として考古学と古代史によって読み解く。
[L-2]「国連ESDの10年最終年会合」に向けて
   〜国内外のESDの現状と課題そして将来〜
コーディネーター:望月太郎(大阪支部),青山勲(岡山支部)
連絡先:taromoch@mac.com
設置趣旨:2012 年は,「国連持続可能な開発のための教育(ESD, Education for Sustainable Development) の10 年」(2005 年〜 2014 年) の8年目に当たり,2014 年11 月には,国連ESD の10 年最終年会合開催地を岡山市と愛知県・名古屋市とすることが決定された。 本分科会では,19 総学が岡山大学で開催されることを受けて,「ESD の現状と課題」をテーマとする。そして,日本国内や世界各国におけるESD の成果をふまえながら,東日本大震災後の持続可能社会のあり方を展望するとともに,2014 年の「国連ESD の10 年最終年会合」に向けたESD の現状と課題を明らかにし,将来への展望について検討したい。

【A 憲法・平和・思想】
[A-1]平和・安全保障問題.核不拡散条約体制から核兵器全面禁止体制へ
コーディネーター:沢田昭二, 亀山統一(平和問題研究委員会)
連絡先:sawadas@fb3.so-net.ne.jp
設置趣旨:イラク戦争,アフガン戦争で破綻し,沖縄問題で膠着した米国は,アジアにおける軍事 態勢に大きな動きを余儀なくされている.核兵器の廃絶や,閉塞した国内政治の打破を求める人々 の要求と運動は,アジア・アフリカ諸国でも日本を含む先進国でも極めて高まっており,その動向 は現代史を左右するものとなろう.一方で,日米同盟は中国との緊張の構図を醸成し,核を含む「抑 止力」「力の政治」を21 世紀に存続させる動きが顕著である.これに対応して大国化した中国がと る軍事外交政策も注目される.こうした動向を的確に分析し,「抑止力」論から脱却して,日本国憲 法の平和主義を実現し持続可能な社会の基礎をなすようなアジア,世界の平和構築を展望する.
[A-2]生命倫理の今日的課題
コーディネーター:宗川吉汪( 生命と医の倫理研究委員会)
連絡先:sokawa@snr.kit.ac.jp
設置趣旨:人間の尊厳・権利ならびに個人の責任・自律は生命倫理の二大原則とされる。これらの 原則は相補う側面と相反する側面をもつ。そのことは生殖医療,臓器移植,終末期医療,重症疾患診療, 救急医療,安楽死,遺体処理などで常に問題にされる。本分科会では具体例を挙げて生命倫理にお ける尊厳概念と自律概念の理解を深めたい。
[A-3]21 世紀社会像の展開
コーディネーター:松川康夫(21 世紀社会論研究委員会)
連絡先:matsuyan@k4.dion.ne.jp
設置趣旨:昨年出版した「21 世紀社会の将来像と道筋」について,社会科学系と自然科学系の方 からコメントをいただき,参加者とともに議論し,論考を深めたい。
[A-4]「フクシマ」を通して近・現代の意味を問い直す
コーディネーター:碓井敏正(思想・文化研究委員会)
連絡先:usui@tachibana-u.ac.jp
設置趣旨:東日本大震災時における福島の原発事故は,原発の危険性だけでなく,原発に依存して きた現代の物質文明とそれを可能とした近代社会システム,さらには思考様式に対する反省を求め ている。本分科会ではそのような問題意識から,近代市民社会の特性と現代社会固有の矛盾,さら には明治以降の日本の近代化の特徴を主として哲学的,倫理的,思想的観点から分析し,近・現代 社会の矛盾を超える社会像,人間像を展望することとする。
[A-5]憲法改正構想の憲法学的・政治学的検討
コーディネーター:小畑隆資(岡山支部)
連絡先:yutorie-_-tkys_hsk@yellow.plala.or.jp
設置趣旨:憲法改正の民主党案(『憲法提言』,2005 年10 月)や自民党案(『新憲法草案』, 2005 年11 月)が提起され,いままた,3・11 を契機に,非常事態条項の導入をうたって憲法 改正を促進しようとする動きが強まってきている。さらには,地方選挙の躍進を背景に橋下・大坂 維新の会が,憲法を敵視し憲法改正をかかげた「船中八策」で国政にうって出ようとしている。そ れらの狙いや背景については多くの議論が出されているが,その国家構想そのものの憲法学的・政 治学的分析はいまだ不十分である。いわゆる憲法改正の意味を,憲法学・政治学の視点から解明する。

【B 経済・医療・暮らし】
[B-1]人間存在と「パーソン論」
     〜重度障害者・認知症者などは「生きているのがかわいそう」なのか〜
コーディネーター:渡部昭男(兵庫支部)
連絡先:akiowtnb@port.kobe-u.ac.jp
設置趣旨:「パーソン論」は,「人格」というのは「自意識」と「理性」があることだという。それがない「認 知症の状態にある人」「重度障害のある人」,「生後1 週間の新生児」などは,(人格のない)「生物 学的なヒト」であり,人でないから殺しても罪にならず,臓器移植のドナーなどにすればよいとい う考えである。この「パーソン論」は現代社会になにをもたらすのか。今日,その思想に対峙して, すべての人に存する人格と尊厳を確立するという現代的な課題がある。この分科会では,重度の障 害のある人・植物状態や認知症などの人たちの人格をどう考えるべきかを討議し,「パーソン論」の 跋扈を許さず,人権を守るために,現代的な課題を深めたい。 朝日訴訟やハンセン氏病闘争など人権保障運動で有名な岡山の地で開催される第19 回総学におい て,考え合うべきテーマと考える。 
[B-2]地域社会・経済と地方自治の今日的課題と創造的展望
コーディネーター:保母武彦(地方自治・地域問題研究委員会)
連絡先:thobo1942@yahoo.co.jp
設置趣旨:分科会を2 コマ(非並列,3 時間×2)使って実施したい。第1 セッションは「地域の社会・ 経済」に焦点を当て,「安全安心な維持可能な地域社会づくり」の視点から,防災問題やTPP 問題 も含めて報告・議論する。第2 セッションは「地方行財政・自治」に焦点を当て,「民主的地方自治 づくり」の視点から,道州制,地域主権改革,大阪都構想などの地方制度改革論と地方行財政の検討, および住民自治の主体形成について報告・議論する。
[B-3+B-5]保健・医療・福祉の現代的課題と対策
コーディネーター:片平洌彦 katahirakiyohiko@gmail.com 、榎 宏朗
設置趣旨:長期間続く医療・介護に対する社会福祉予算の抑制は,地域医療の崩壊につながっている。 また,製薬企業の企業間競争はイレッサのような薬害事件を引き起こしている。  現場で起きている問題を整理し,保健・医療・福祉分野での改善策の提言を検討する。
[B-4]放射線の人体影響
コーディネーター:沢田昭二(愛知支部)
連絡先:sawadas@fb3.so-net.ne.jp
設置趣旨:東電福島原発第一発電所事故以来放射線による人体影響について国民的関心が高まって いるが,最大の放射線被曝の原爆被爆者の研究が初期放射線による外部被曝の研究に重点が置かれ, 今回の事故による被曝のように内部被曝についてはほとんど解明されていない。そのため放射線に よる人体影響について,科学者の発言が大きく分離して,市民からの不安がかえって広がっている。 科学的にどこまで言えるか,科学的に決着が着いていないのはどの範囲かを日本科学者会議でも明 確にしておくことが求められている。
[B-6]グローバル企業に依存しない日本経済を実現するために
コーディネーター:工藤昌宏(東京支部)、米田貢(東京支部)
連絡先:myoneda@tamacc.chuo-u.ac.jp
設置趣旨:「失われた20 年」 の日本経済の現実は、グローバル経済の段階においてグローバル企業 の成長と国民生活の安定化・向上とはもはや両立しえないことを明瞭に物語っている。グローバル 企業の国際競争力を強化することを主眼とする新自由主義的経済政策を止めさせ、真に国民生活を 豊かにするための政策体系に転換しなければ ならな い。そのための基本構想の確立に向けて、本分 科会では、(1)相対的に自立した経済循環をもつ地域経済を各地に確立し、それらを基礎に東京一 極集中型の日本経済を根本的に転換する、(2)輸出と輸入の縮小均衡を実現し、異常な円高を是正 する、(3)新たな日本経済を構築するために歳出・歳入の両面において中央政府・地方政府の財政 構造を根本的に転換する。その間、政府債務残高は無理に減らさない、などの論点を軸に、再生産論、 地域経済論、産業論、国際経済 学、財政学、金融論の立場から総合的に議論をする。

【C 公害・環境・エネルギー・災害問題】
[C-1]食と農の政策科学―震災後の食と農を考える―
コーディネーター:西村一郎(食糧問題研究委員会)
連絡先:info@nishimuraichirou.com
設置趣旨:東日本大震災によって,日本の食と農の構造的な問題が浮かび上がっています。原発事 故による放射能汚染は広範囲にわたり,かつTPPの導入などの議論がはじまり,農業のあり方を めぐる動きも活発化している。  こうした動きの中で,我が国の食と農のあり方を考える。
[C-2]福島原発事故と原子力行政
コーディネーター:野口邦和(エネルギー・原子力問題委員会)
連絡先:noguchi-k@dent.nihon-u.ac.jp>
設置趣旨:福島第一原発事故から1年経過した今日,事故の経過と原因,事故への対応,事故の責任, 事故の真の収束に向かってなすべきこと,事故の教訓を明らかにして,原発推進体制を転換するこ とが求められている。また,高レベル廃棄物の安全な処分方法が未確立,軍事利用転用など,福島 第一原発事故以前から指摘されていた問題もある。本分科会ではこれらの点を解明し,国民の立場 から原子力行政・原子力規制のあり方を検討する。
[C-3]予防原則・リスク論を考える
コーディネーター:西川榮一,小野塚春吉,森家章雄(公害環境問題委員会)
連絡先:e-nishikawa@dab.hi-ho.ne.jp
設置趣旨:環境政策における「予防原則」(precautionary principle)の考え方は国際的に承認さ れた環境政策の原則となってきているが,日本では,ほとんど「棚上げ」状態にある。その一方, 環境安全政策の評価に費用効果分析を導入するリスク論は,被害の過小評価や被害者切り捨てにも 利用される状況にある。分科会では,予防原則およびリスク論が,日本の環境政策や食品安全政策で, どのようになっているかを分析(検証)するとともに,課題と問題点について検討したいと考えて いる。
[C-4]大震災に学ぶこれからの防災の課題
コーディネーター:坂巻幸雄(災害問題研究委員会)
連絡先:DZZ03766@nifty.ne.jp
設置趣旨:千年に一度という東日本大震災とそれに伴う原発事故は,政治の貧困と相俟って,被災 地住民に多くの苦難をもたらしたままになっている。しかも,新たな大災害の発生も想定域に入り, もはや猶予は許されない。科学者としてこの事態に対応する道をどこに求めるべきか。実践に基づ く活発な議論を通じて,方向付けを行いたい。
[C-5]自然エネルギーの普及に向けた戦略
コーディネーター:上園昌武(島根支部),岩本智之(中長期気候目標研究委員会)
連絡先:uezono@soc.shimane-u.ac.jp
設置趣旨:福島原発事故以降,化石燃料にも原子力にも依存しないエネルギー需給体系を確保し, 持続可能な社会構築への道が求められており,自然エネルギーの普及が注目されている。これは破 局的な気候変化を回避する中長期気候目標の設定と実行にとっても重要な課題であり,本分科会で は,国内外の事例をみながら,自然エネルギーの普及に必要な戦略を検討する。
[C-6]瀬戸内の地域環境再生
コーディネーター:磯部 作(瀬戸内委員会)
連絡先:isobetsu@po6.oninet.ne.jp
設置趣旨:本分科会は,JSA 瀬戸内委員会と瀬戸内の環境を守る連絡会が1972 年以来開催して きた「瀬戸内シンポジウム」(第32 回)として開催する。瀬戸内では,現在,地域環境再生が重要 な課題である。埋立地などに重化学工業やエネルギー基地などが立地した沿岸地域,豊かな漁場で あった沿岸海域,過疎化が進む島嶼部などの地域環境再生について,そのあり方や担い手などを, 瀬戸内各地からの報告を基に,発生が予想される大震災への対応も考慮しながら考察する。

【D 科学・技術・教育・社会】
[D-1]宇宙, 物質, 生命, 人間と社会の動的構造と発展
  (第2回複雑系科学シンポジウム)
コーディネーター:長野八久(複雑系科学研究委員会)
連絡先:nagano@chem.sci.osaka-u.ac.jp
設置趣旨:複雑系科学は「発展」を扱う科学である。宇宙の進化,生物の進化・発生,動物の行動, 生態系・人間社会の発展・転換などに内在する普遍的法則を探る。自然科学と社会科学の熱い交 流の場となることを期待する。昨年開催された第1回複雑系科学シンポジウムのプログラムを参照: http://www.chem.sci.osaka-u.ac.jp/.nagano/scs1pgr.htm
[D-2]女性研究者・技術者のこれまでと今,そしてこれから
コーディネーター:沢山美果子(女性研究者技術者委員会)
連絡先:smikako@pr4.harenet.ne.jp
設置趣旨:「女性が科学技術に参画することで,『競争』から協調へ,『序列』から『ネットワーク』へ, 利潤追求型から共通目標へ向かって努力できる仕組みを作っていけないか」を探ることを目的に昨年 開催された「女性研究者・技術者の明日を考える」シンポジウムでの議論を引き継ぐ形で,さらに 多様な角度から女性研究者・技術者の現状を明らかにし,これからの女性研究者・技術者の課題を 明らかにすることを目的とする。
[D-3]科学・技術の現状批判 
     ―日本の科学・技術の健全な発展のための課題 part5―
コーディネーター:長田好弘(東京支部),久志本俊弘(大阪支部),酒井士朗(東京支部)
連絡先:ssakai@jcom.home.ne.jp
設置趣旨:高度技術社会といわれる現状において頻発する事故・不具合の背景には研究者・技術労 働者の低賃金・労働強化・無権利状態が存在する。安全・安心の技術の構築を求めて,研究者・技 術労働者の社会的役割や権利について語りあう。
[D-4]科学・技術サロン―日本の科学・技術の現状とロマンを語るpart5―
コーディネーター:長田好弘,榊原道夫,松永光司(東京支部)
連絡先:matsunaga_mitsushi@hotmail.com
設置趣旨:3・11 から1 年,大震災と原発事故からの復興が遅々として進まない中,政府は新たな 「原発安全神話」を振りまき原発再稼動への動きを強めている。また,JAXA法から「平和の目的 に限り」と定めた規定をなくす改定の準備を進め,衛星開発やロケット誘導技術の軍事応用の検討 を進めるなど,科学・技術の軍事利用とそれへの研究者・技術者の動員が懸念されている。また歴代 政府の科学技術政策のもとで研究・教育労働者の状況悪化は著しい。こうした状況の打開をめざす 議論を始め,科学・技術に関する諸問題を自由闊達に議論することを設置趣旨とする。
[D-5]3.11 後の社会運動と大学院生
コーディネーター:大月英雄(若手研究者問題委員会)
連絡先:ryoga@auone.jp
設置趣旨:昨年の東日本大震災以降の脱原発運動などに見られるように,社会運動において幾つか の変化が現れてきた。しかし,運動の在り方の変容は十分に捉え切れていないように感じられる。 とくに,運動の主体としての若者の意識や社会との関わり方についての変化が考察されるべきだろ う。  今回は,「夏の学校」と併催として多くの若手・院生の参加を募り,上述の課題を検討することを 通じて,若い参加者が科学者として今後社会と関わっていくことの意義,そこにおける課題を考え 語りあえる機会としたい。 [D-6]真の科学・技術,学術政策を求めて
     〜第4 期科学技術基本計画策定後の「科学技術イノベーション」政策の展開〜
コーディネーター:兵藤友博(科学・技術政策委員会)
連絡先:hyodot@ba.ritsumei.ac.jp
設置趣旨:3.11 の東日本大震災を受けて策定途上で見直された第4期科学技術基本計画は,昨年 8月に閣議決定され,2012 年度予算等を通じて,「科学技術イノベーション」政策の一体的展開 の具体化と検討が進んでいる。この第4期計画の現段階をその後の情勢の推移と震災復興に便乗し 利益を求める惨事便乗型資本主義日本版の現れについて,批判的分析をおこない,その上で望まれ る真の科学・技術,学術政策とは何かを検討する。
[D-7]今,改めて科学・技術教育を考える
コーディネーター:高原周一(岡山支部)
連絡先:takahara@chem.ous.ac.jp
設置趣旨:東日本大震災,福島第1 原発事故を契機として,科学・技術教育のあり方が改めて問わ れている。本分科会では,現代を生きる市民が共有すべき科学・技術リテラシーの内容とこれを小 中高大での学校教育および社会教育の中で普及するための方法論,さらには一般市民のための科学・ 技術教育と科学・技術者育成教育との関係などについて幅広く意見交換を行い,これからの科学・ 技術教育の展望について考えたい。
[D-8]研究者の権利・地位,倫理の確立のために
コーディネーター:丹生淳郷(科学者の権利問題委員会)
連絡先:kiyosato-new@est.hi-ho.ne.jp
設置趣旨:研究者の権利・地位と倫理の確立をめざして,第42 回大会で報告文書として公表され た文書と,同大会で採択された特別決議は,科学・技術を巡る今日的状況,ならびに3.11 大震災 と津波,原発事故の原因と対応において,学問の独立性,国民のための学術体制,そしてそれを担 う研究者の権利・地位と倫理問題について,改めて振り返る価値があると考える。分科会では,様々 な切り口から「研究者の権利・地位,倫理の確立」のために,何が問題で,何をなすべきか,など を討論する。
[D-9-1]大学・試験研究機関の現状と課題:大学・国公研の『法人化』がもたらしたもの
コーディネーター:小滝豊美(国公立試験研究機関問題委)
連絡先:kotaki@affrc.go.jp
設置趣旨: 国立大学と多くの国立試験研究機関が法人化されてから,それぞれぞれ8 年,11 年 という時間が経過した。この間に新自由主義的な政策・制度は一層深化し,法人化の流れは地方に も拡がった。さらに,政権交代と東日本大震災は法人化が引き起こした矛盾を可視化する役割を果 たした。加えて,今後実行されるであろう研究法人見直しによって,矛盾のさらなる深刻化が懸念 される。分科会「大学・試験研究機関の現状と課題」のセッション1では法人化によって大学や研究 機関にもたらされた変化を明らかにする。
[D-9-2]大学・試験研究機関の現状と課題:大学改革をめぐる現状と課題
コーディネーター:細井克彦(大学問題委員会)
連絡先:es43dz@bma.biglobe.ne.jp
設置趣旨:大学・国公研の「法人化」にかかわる問題<D-9-1>を踏まえながらも,本セッション では大学・高等教育を軸に状況の把握と改革の方向を見定めたい。3.11 は大学のあり方にも大き な影響を及ぼすものであったが,政策側はこれとは無関係のようにグローバル化対応での秋入学を 突破口に大規模な「改革・再編」を行おうとしている。しかし,大学の足下はどうなっているのか, 大学が社会的役割を果たすにはどうあるべきかを検討し,大学改革のあり方を問う。
【分科会,コーディネータ,および連絡先一覧】
 分科会の概要はこの一覧の後にあります.
S 特別セッション
 19総学特別セッション「東日本大震災−復旧・復興への提言」
 日本科学者会議 東日本大震災問題特別研究委員会主催 (15 日午前・後)
 伊藤宏之,hitoh@educ.fukushima-u.ac.jp
L 特別分科会
 L-1 古代吉備の環境と歴史 (15 日午前)
    今津勝紀,tmatsugi@cc.okayama-u.ac.jp
 L-2 「国連ESDの10年最終年会合」に向けて(15 日午前)
    望月太郎,taromoch@mac.com
A 憲法・平和・思想
 A-1 平和・安全保障問題(15 日午前・後)
    沢田昭二, sawadas@fb3.so-net.ne.jp
 A-2 生命倫理の今日的課題 (16 日午前)
    宗川吉汪,sokawa@snr.kit.ac.jp
 A-3 21 世紀社会像の展開 (16 日午前)
    松川康夫,matsuyan@k4.dion.ne.jp
 A-4 「フクシマ」を通して近・現代の意味を問い直す (15 日午後)
    碓井敏正,usui@tachibana-u.ac.jp
 A-5 憲法改正構想の憲法学的・政治学的検討 (16 日午前)
    小畑隆資,yutorie-_-tkys_hsk@yellow.plala.or.jp
B 経済・医療・暮らし 
 B-1 人間存在と「パーソン論」 (15 日午前)
    渡部昭男,akiowtnb@port.kobe-u.ac.jp
 B-2 地域社会・経済と地方自治の今日的課題と創造的展望 (15 日午後・16 日午前)
    保母武彦,thobo1942@yahoo.co.jp
 B-3 保健・医療・福祉の現代的課題と対策 (15 日午後)
    藤竿伊知郎,fujisao.i@asahi.email.ne.jp
 B-4 放射線の人体影響 (16 日午前)
    沢田昭二,sawadas@fb3.so-net.ne.jp
 B-5 資本主義と医学・医療 (16 日午前)
    西山勝夫,松岡健一,katsunishi@aol.com
 B-6 グローバル企業に依存しない日本経済を実現するために
    工藤昌宏,米田貢,myoneda@tamacc.chuo-u.ac.jp
C 公害・環境・エネルギー・災害問題
 C-1 食と農の政策科学―震災後の食と農を考える― (15 日午後)
    西村一郎,info@nishimuraichirou.com
 C-2 福島原発事故と原子力行政 (15 日午後)
    野口邦和,noguchi-k@dent.nihon-u.ac.jp>
 C-3 予防原則・リスク論を考える (15 日午前)
    西川榮一,小野塚春吉,森家章雄,e-nishikawa@dab.hi-ho.ne.jp
 C-4 大震災に学ぶこれからの防災の課題 (16 日午前)
    坂巻幸雄,DZZ03766@nifty.ne.jp
 C-5 自然エネルギーの普及に向けた戦略 (15 日午前・午後)
    上園昌武,岩本智之,uezono@soc.shimane-u.ac.jp
 C-6 瀬戸内の地域環境再生 (16 日午前)
    磯部 作,isobetsu@po6.oninet.ne.jp
D 科学・技術・教育・社会
 D-1 宇宙, 物質, 生命, 人間と社会の動的構造と発展
     (第2 回複雑系科学シンポジウム) (15 日午前・午後)
    長野八久,nagano@chem.sci.osaka-u.ac.jp
 D-2 女性研究者・技術者のこれまでと今,そしてこれから (15 日午前)
    沢山美果子,smikako@pr4.harenet.ne.jp
 D-3 科学・技術の現状批判(15日午前)
    長田好弘,久志本俊弘,酒井士朗,ssakai@jcom.home.ne.jp
 D-4 科学・技術サロン(15日午後)
    長田好弘,榊原道夫,松永光司,matsunaga_mitsushi@hotmail.com
 D-5 3.11 後の社会運動と大学院生 (15 日午後)
    大月英雄,ryoga@auone.jp
 D-6 真の科学・技術,学術政策を求めて (16 日午前)
    兵藤友博,hyodot@ba.ritsumei.ac.jp
 D-7 今,改めて科学・技術教育を考える (15 日午前)
    高原周一,takahara@chem.ous.ac.jp
 D-8 研究者の権利・地位,倫理の確立のために (15 日午後)
    丹生淳郷,kiyosato-new@est.hi-ho.ne.jp
 D-9-1 大学・試験研究機関の現状と課題
    大学・国公研の『法人化』がもたらしたもの (15 日午前)
    小滝豊美,kotaki@affrc.go.jp
 D-9-2 大学・試験研究機関の現状と課題
    大学改革をめぐる現状と課題 (15 日午後)
    細井克彦,es43dz@bma.biglobe.ne.jp



日本科学者会議第19回総合学術研究集会実行委員会
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